2017年8月27日。
1年間楽しく追いかけていた1つの番組が終了しました。
今回は、「仮面ライダーエグゼイド」の1年間の感想の総括をしていきます。
閲覧前の断りとしまして、現在公開中の映画「劇場版仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング」の内容についても深く突っ込みます。
まだ見てない方は閲覧要注意でよろしくお願いします。
一応関連記事として劇場版(公開初日の感想)の感想記事のアドレスも貼っておきます(こちら)。
・概要
2016年10月2日から2017年8月27日まで全45話放送された「平成仮面ライダーシリーズ」第18作。
本作の象徴する要素は主に2つあります。
1つは、ガシャットと呼ばれる「ゲームカセット型変身アイテム」を使って変身するという、「ゲーム」をモチーフとした仮面ライダーであるという点。
もう1つは、主要人物がほぼ全員ドクターであり、怪人(バグスター)の存在をウイルス=病原体と形容して討伐するという「医療ドラマ」の側面がある点。
他にも放送前には上記の四頭身の「レベル1」が大きな反響を呼んだことも記憶に新しいですね。
これに限らずとも本作のライダーは全体的に過去作から受け継がれていたデザインの方向性から大きく外れており、そこに拒否反応を示す過去作ファンも多かったです。
「ゲーム」と「医療」という何もかも全く異なる2つの要素を組み合わせが一体どのような物語が生まれたのでしょうか…?
・「医療」と「ゲーム」の相反する2つの要素について
・相反する要素
荒唐無稽!「医療」と「ゲーム」なんて何もかも違うじゃないか!例えるならラーメンとお寿司くらい!
こんなのでどんな物語やるってんだよ!?
放送前の筆者の印象はまさにこんな感じでした。
確かに「医療」と「ゲーム」はまるっきり別物ですが、ある視点で見ると「相反する要素」と成り得るのです。
それが何かと言うと、「命に関する命題」です。
「医療」の側面では、命とは最善の手を尽くして守るべきもの・たった1つのかけがえのないもの。
「ゲーム」の側面では、命とはたくさんある(作れる)もの・なくなっても復活するもの。
本作のドクター(=仮面ライダー)と敵(怪人=バグスターに限らないので「敵」とします)の対立軸は、全話通じてこの部分が一番の焦点となっているのです。
・ゴーストが描いた「命に関する命題」はどうだったか?
余談ですが、「命」という命題については前年の「ゴースト」でも問いかけていた要素です。
何故ならば、ゴーストで描きたかったことは「生きることの素晴らしさ」とのことですから。
さて、「ゴースト」では人間としての命を奪われ幽霊となったタケルと、肉体と魂を分離したことで「完全な肉体」と称する眼魔との対立軸となっていました。
あくまで個人的感想であることを踏まえたうえでの意見なのですが(エグゼイドと優劣をつけるつもりはないことの断り。筆者はゴーストも好きです)、「ゴースト」の場合「命」に関する命題よりかはタケルの仲間や英雄を通じた交流で成長していく物語の方がメインであるような作品でした。
このような印象を受けてしまった要因としては、ゴーストにしろ眼魔にしろお互いが取り巻く背景が物語の描写上では非常に読み取りづらく、前述した「仲間や英雄を通じた交流で成長していく」部分の方が分かりやすく目立っていたからだと分析します。
つまり、「命」に関する命題という点で見るとどうにも腑に落ちなかった不満があったりしまして。
ゴーストとは何者なのか、眼魔とは一体何なのか。
本編をよく見ていても全貌を理解するのはかなり難解でして、呆然と見ていると「よく分からないけどお互い敵同士で戦ってるんだ!」くらいにしか印象に持てません。Twitter上の感想でもそのような意見は数多く飛び交っていました。
これがどういうことか言うと、当初掲げていた「生きることの素晴らしさ」って結局何だったんじゃ?と着地して終わっちゃったわけですね。
それでもラストでOPのシーンから地上に降りておにぎり美味しそうに食べるタケルにはほっこりした筆者もいるわけなんですが…終わりよければすべて良し!
結論を書くならば、ゴーストはタケルの成長物語としての話としては合格点をあげてもいいのですが、タケルが死んでから蘇ったことで描こうとしていた命に関する命題の部分は理解しづらい構造だったのではないかと筆者は考えます。
・エグゼイドの「命に関する命題」
本題に戻って、これを踏まえた上でのゴーストの次回作である本作なのですが。
「命に関する命題」という視点で見るならば、「医療」と「ゲーム」という相反要素によって、ドクターと敵側の構図を分かりやすく描いていたと筆者は評価しています。
ドクターとして「患者の笑顔を取り戻すこと」を信念とする主人公の永夢。
患者の心情に一切振り回されず、治療して健康になったという結果だけを追い求める飛彩。
患者の容態よりも、患者を苦しめるバグスターの殲滅こそ最優先の大我。
3人のドクターは価値観こそ全く異なれども、「医者」として患者を治すという部分については一切ブレいません。
それは、曲がりなりにも3人はドクターであり病気で苦しむ患者の命を守るという価値観は共通しているからです。
結果としてそれは正義の味方=ヒーローとしての活動に繋がるわけですが、あくまで彼らはドクターで患者を治すために戦っているに過ぎない。
まさに、「医療」という要素をライダーに落とし込めたらどうなるのか?という構図を分かりやすく回答していると思います。
対する敵側はどうでしょうか。
自身を「神」と称し、高い技術力と執念で何度も何度も何度でも蘇り終始作品をかき回した、本作全ての元凶の檀黎斗。
バグスター=ゲームの主人公と考え、自分を倒そうとする人類をゲーム感覚で一方的に虐殺したパラド。
幻夢コーポレーションの利益以外眼中になく、仮面ライダークロニクルのプレイヤーを世界規模で増やし、プレイヤーの命を管理する神になろうとしたラスボスの檀正宗。
敵側だった者に共通していることは、命をゲーム感覚で扱っているという部分です。
例を挙げなかったバグスターにしても、「自らの私利私欲のために感染する」という行動理念であり、患者側の感情や心情など一切眼中にはありません。ワンサイドゲームで一方的な価値観と強さを押し付けるかのようにです。
患者の「命」を大切にするドクターには相応しい「敵」である、という構図がすんなりと理解しやすいではないでしょうか。
その根拠として、本作の「敵」と呼べる存在にはドクターであるキャラは1人もいませんでした(途中で裏切るなど敵対する展開があったものの、最初から最後まで敵で居続けたドクターはいません)。
まとめるならば、本作は一見全く関係ない要素同士に見えた「医療」(ライダー・ヒーロー側)と「ゲーム」(バグスターをはじめとした敵側)による「命の価値観の異なる存在同士の命をかけた戦い」という分かりやすい構造の作品だったのです。
・キャラについて
・例年との違い
本作のキャラクターは、主に「ドクター側」「バグスター側」「幻夢コーポレーション側」の3つのサイドからなります。
大体、ドクター=正義のヒーローのライダーでバグスター・幻夢側=敵って考えていただければそれでいいです。
が、例年との違う特徴の1つに「ゲストキャラの激減」という点が挙げられます。
例年の過去作では、大体その回限りのゲスト俳優さんが何名か登場し、その人たちのドラマにライダーと敵が介入するというのがベターです。
対する本作はゲストキャラが全くいなかったわけではありませんが、あくまで「ドクターと敵の対立」が主軸と前述した通り、上記の3つのサイドの主要人物以上のキャラ達はほとんど登場することがありませんでした。
その傾向は、第3部「仮面ライダークロニクル編」以降から顕著です。
これによって良かった点を挙げるならば、メインキャラの掘り下げが濃く出来ていたことです。
本作のメインキャラの中に影が薄い・不遇と呼べるキャラは結果として1人もいませんでした。ドクターやその協力者(幻夢側の黎斗・バグスター側のポッピーやパラド)も皆それぞれに役割と見せ場を作り上げたのは流石の一言ですね。
ただし、メインキャラを陰で支えるがゲストではない「脇役」はその限りではありませんでした。
主に、飛彩の父親の灰馬や衛生省の日向が該当しますね。
彼らの話はほとんどなかったので、物語上必要あったのか?というのは批判すべき点の1つ。
灰馬はまだ飛彩が憧れてドクターになったんだ!ってフォローがあったからマシかもしれませんが、本作は話数短縮に前述のゲストキャラ激減による都合で終始息つく暇のない作品だったので、脇役はとことん影の薄かったことを象徴する存在の1人でした。
衛生省に関しては、ドクター達をサポートする立場の存在であるにも関わらずほとんど本編で絡んできませんでした。
結局のところ「都合よくドクター達利用してるだけの機関」ってイメージがついたまま終わってしまいましたね。
そして、2点目の例年とは異なる特徴の1つに本作の敵怪人であるバグスターは基本的に10体しかいないという設定(※正確にはゲムデウスやパラドがいるので10体+αですが、それでも基本は10体)が第1話の時点で明らかになってたことが挙げられます。(第1部のタイトルは「10のゲーム編」)。
何が言いたいかというと、本作はゲストや怪人の「ゲストキャラ」の激減により登場人物の総数が例年に比べて圧倒的に少ないです。
怪人に関しては前年のゴーストから雑魚敵の派生種ばっかり増えたりと前例というか予兆のようなものがあり、昨今は怪人スーツを毎週1話作るのも厳しくなってしまったのかと推測してしまいます。
ビルドはどうなることやら?
10のゲームのバグスターを攻略する=怪人が基本10体しかいないというのは、何かしらの「スーツを量産するのが厳しい事情」を物語的に落とし込めた結果なのではないかと邪推してしまいますね。
そういう意味では、「怪人とライダーの対決」という要素を楽しみにしている人には物足りない作品になったように感じました。
そのかわり、本作は終始仮面ライダー同士が対決をする作品になっていまして、「ライダーバトル」という側面で見るならば楽しめる作りになっていました。
少し話はずれるんですが、怪人が激減したことに関連するお話の1つとしまして、Twitter上で「ムテキゲーマーはバグスターを1体しか倒していない=不遇」という風潮のツイートを何件か見ることがありました。
うーん、不遇っていうのは違うかなぁというのが筆者の意見。
ハイパームテキはバグスターを倒すために生まれたフォームではなく、クロノスを打倒するために生まれたフォームですので、倒した敵がクロノス一人というのは設定的には何も間違いじゃないんですよ。
だから不遇というのはちょっと違うかなぁと。クロノスとばかり戦っていて味気がなかった、ならまだ理解できるのですが…。
バグスターとの戦いの方面ならば、ムテキゲーマーの前のマキシマムゲーマーの時点で既に敵なしだったので、余計にムテキゲーマーは「クロノス打倒のフォーム」って意味合いが強いんですよね。
・濃すぎるキャラクターの面々
前述した通り、本作はメインキャラに関する話をガッツリやっていたため、濃いメンツが勢揃いとなった一年でありました。
・神の場合
真っ先に挙げるべきなのは仮面ライダーゲンム/檀黎斗でしょう。
ゴーストにゲンムがゲスト出演した時は誰が予想していただろうか?
中盤まではボスにして本作の全ての元凶であったというだけで存在感がありました。
そんな彼も第2部「永夢の秘密編」にて死亡。
同時に第2部は閉幕となりました。
が、10話もせずに改名して堂々復活w
そこからは
俳優の怪演もあって、クールな天才若社長から強烈なインパクトのある神へと変貌していった様を楽しむのも本作の醍醐味の1つと言えるでしょう。
・闇医者の場合
当初はガシャットを奪い自分が強くなることしか眼中になかった仮面ライダースナイプ/花家大我
結果的に初期の頃に見られた他人を突き放すような言動やライダーとして孤独に戦っていく様は、「グラファイトを倒せず飛彩の恋人を間接的に殺してしまった過去への贖罪の気持ちがあったから」「飛彩に嫌われるための演技だった」という背景が明らかになってから印象がガラっと変わります。
ニコへの面倒見の良さなんかを見ても本質的には良い人なのは序盤の段階から既に読めることではあったりするのですが、筆者は初期の印象が強くて実は良い人だったって事実があんまし受け入れられなかった所もなくはなかったり…。
しかし元正規のドクター=正義の心があった、という点を踏まえているのはよくわかります。
また、彼には「仮面ライダーは俺一人で十分だ」と劇中度々呟くセリフがあります。
これも、序盤と終盤以降では聞こえ方がまるっきり違ってきますね。
前者では独占欲の強い男のように、後者では自分のような苦しみを味わう人間が増える必要がないという自己犠牲の言葉かのように・・・といった具合にです。
「表」面上と「裏」で考えていることは全く真逆。
これは本作では大我に限らずほとんどのキャラに見られる傾向でして、本作の裏のテーマだったのではないか?とも考えます。まさに「表と裏」を描いた物語だったのかなと。
・パラドの場合
その点で言うならば、パラド/仮面ライダーパラドクスもいい例ですね。
ただの謎多きバグスターの幹部…と思いきや!
「平成ジェネレーションズ」から用意周到に伏線をばら撒いて2部の終盤で「永夢のもう一つの人格の正体」であることが発覚する様はリアルタイムで追いかけていた人間だからこそ味わえた楽しみでしょう。
こちらはOPテーマの1カットより。
そして、2話から既に伏線は張ってあった(※1話にOP映像なし)というわけですね。
完全体となったバグスターは死なない。
だから死を恐れる必要はないし、死ぬという弱点のある人間は弱者だ。
一時期はそう人間を罵っていたパラド。
しかし、そんなバグスターの優位も、ラスボスの仮面ライダークロノスの登場により存在しなくなってしまいました。
そこからバグスターの中で唯一の「死を恐れる存在」へと変貌します。
バグスターにしても、「自らの私利私欲のために感染する」という行動理念であり、患者側の感情や心情など一切眼中にはありません。ワンサイドゲームで一方的な価値観と強さを押し付けるかのようにです。前述より。あくまで人類と対立する敵対勢力であったバグスターの幹部にまさか人間のような感情が芽生えることになるとは。
初期~中期の頃に見せていたゲームを純粋に楽しむその姿はなりを潜めて、死に恐怖する彼の様は本作の見所の1つと言えるのではないだろうか。
エグゼイドによって命を奪われ、死に怯えるパラド。
皮肉にもこのシーンは、自身がかつて手にかけた檀黎斗と立場が全く同じになっている・・・という構図なんですよね。
虫ケラを殺しても何とも思わないような奴が、初めて殺される虫ケラの気持ちを理解したといったところでしょうか?
これだけの壮絶なドラマがあったからこそ、命を守るドクター(=永夢)と共に数多の命を奪おうとするクロノスを止めるべきだと気づき仲間になる流れは納得のいくものに仕上がっていました。
・監察医の場合
そして何といっても筆者が語りたいのは彼です。
仮面ライダーレーザー/九条貴利矢は、筆者にとって本作にハマるきっかけを与えてくれた方でありました。全ての始まりです。
九条貴利矢は、前述した「表と裏」の裏テーマに見事合致していると筆者は考えます。
彼が人を騙し嘘に乗せていく様は、真実を知ることで絶望する人間のある種の逃避の手段であるという自論を持ちます。
彼といえばで最初に挙げるべきお話は第7話ですね。
永夢や飛彩よりもいち早くゲンムの正体に気づき、上記のような信念を持ちつつもじゃあ打ち明けてみようかとその正体を教えようとするも、檀黎斗の策略により変身していたパラドによってその正体がバレることはありませんでした。
本当のことを言おうとしたことで相手に疑われ、嫌われる。
神の視点で見ている視聴者からすればここの飛彩に「くっそ~!何も知らないくせに偉そうに!!!」と憤慨したくなりますが…
その切り返しがこちらで、結果的に永夢達を騙した嘘つきとしての「表」を演じる道を選びます。
そしてこれがゲンムがパラドに変身解除される所を目撃した九条貴利矢です。
この切ない表情から「道化」となって永夢と飛彩に嫌われる道を選んだ彼の「表と裏」が、この表情から読み取ることが可能です。
筆者は、ここの表情の切り替わり具合で一気に引き込まれてしまったといっても過言ではありません。
この回の「あくまで道化に徹する」という茨の道を選んだ九条貴利矢を見て、人として好きになった!という方は大多数なのではないでしょうか。
そんな彼も第11話では人を信じることを決して諦めない永夢の姿に感銘を受け、初めて人を信じてもいいと思うようになります。
上記のゲンムの話で嘘をついたことを嘘だと告げて和解、晴れてエグゼイドとレーザーという最高のコンビ結成の瞬間でした。
…だがしかし、そんな最強コンビはわずか1話で永遠の別離となってしまいました。
続く第12話は、2016年12月25日放送ということからも分かるように現実でクリスマスの日に放送された特別編という名目でした。
この回限定のガシャットの登場やエグゼイドが初のスポーツゲーマーにフォームチェンジ等等、お祭り気分で盛り上げた…のが前半パート。
後半パートでは、第11話までのエグゼイド達ドクターがやってきた行動は全てゲンムこと檀黎斗の壮大な計画を成就するための実験に過ぎないことが発覚。
その真相に誰よりも先にたどり着いた九条貴利矢に待っていたものは…口封じによる、ゲームオーバー=死亡という結末でした。
自分が殺された無念や檀黎斗への憎しみよりも、真っ先に永夢の秘密の断片を語り、それでも永夢がこの先懸命にドクターとして全うすることに激励をかけ消えゆく九条貴利矢。
筆者はこのシーンに涙が止まりませんでした。
九条貴利矢という素敵な人間が死んでしまったことの悲しみ…も勿論あるのですが。
それ以上に、「自分のことより永夢の精神」が一番心に突き刺さったんですよね。
ただの好奇心だったとはいえ、檀黎斗の闇に片足突っ込んだ挙句一方的に虐殺なんてされたのに、そこに対する気持ちよりも真っ先に駆けつけてくれた永夢に全てを託す最期でしたから。
嘘をついて人から離れるような九条貴利矢の中にあった本質は、すなわち「友達想い」だったってことがここで分かってしまった切なさ。
…いえ、正確には彼が友達想いであることは、過去に本当のことを話して親友を失った過去を心の傷に負っていたという時点から明白です。
が、本編で既にいなくなっているキャラの過去話より、今いるキャラからそれを描かれていれば説得力もあるというか。
前の話であれほど息のあったコンビネーションをしていただけに、人を突き放していた九条貴利矢がそれだけ宝条永夢という人間を信頼したんだな、というのが伝わってくるんです。
一番好きだったキャラが本編から消えてしまった悲しさと寂しさ。
これからエグゼイドを追いかけても楽しいのだろうか?
12話放送当時の筆者はこんなことを考えていた記憶があります。
でも、この疑問の答えは「九条貴利矢が消えてしまったからこそ、彼の遺したものを見届けないといけないんだ」でした。
ここから、筆者は一気に本作にハマっていきます。
思い返せば1年で一番辛い展開の回だったけど、筆者の中での本作の評価のターニングポイントにして、全ての始まり…第12話は、第1話になった瞬間でした。
それから九条貴利矢というキャラクターは、話数にして22話ほど本編から退かれます。
さて、筆者は九条貴利矢がもし復活するなら…って妄想を12話の予告を見て死ぬのか?と不安がっていた時と、決まった直後でTwitterでぶちまけていました。
でもフォロワーが提唱してた、中盤あたりの絶体絶命のピンチに「らしくねぇな、名人~」ってしれっと新ガシャット持ってきて助けに来てくれる九条先生とかもしそうなったら最高に激熱じゃない?w
— シャオ(おおもりご飯) (@CHARIOT_OOMORI) 2016年12月20日
来週の予告見るにレーザーは敵っぽいようだが、俺はエグゼイドがクロノスにボコボコにされて死にそうな間際に「らしくない苦戦してんじゃないの!名人!」って言ってクロノスに飛び蹴りかまして助けてくれるレーザーが死ぬほどみたい(九条貴利矢死亡回当日にも似たようなつぶやきしてた
— シャオ(おおもりご飯) (@CHARIOT_OOMORI) 2017年5月28日
しれっと苦戦する永夢に助太刀する九条貴利矢が見たい!
そんな願望が詰まったツイートでしたが・・・
来週の予告見るにレーザーは敵っぽいようだが、俺はエグゼイドがクロノスにボコボコにされて死にそうな間際に「らしくない苦戦してんじゃないの!名人!」って言ってクロノスに飛び蹴りかまして助けてくれるレーザーが死ぬほどみたい(九条貴利矢死亡回当日にも似たようなつぶやきしてた
— シャオ(おおもりご飯) (@CHARIOT_OOMORI) 2017年5月28日
妄想が現実になるなんて、夢にも思っていなかった!!!!
少し遡ると、九条貴利矢が本編で復活するのは第34話から。
しかしこの時はレーザーターボによる顔見せだけ。
続く第35話では、アロハシャツから一変して黒ジャケットに身を包み、クロノスの手先であると徹底して永夢達と対立します。
そして第35話では何と言ったのか意図的に聞こえないように演出されているのですが、永夢に何かを囁き二人の対立は確実なものとなって本編終了という視聴者の良い意味でも悪い意味でも期待を裏切った復活劇となりました。
この様子に、Twitterのファンの間では「九条貴利矢はこの先クロノスの手先として活動を続けるのか?それとも仲間になるのか?」という部分で議論になりました。
筆者は正直この時点で、九条貴利矢は永夢の仲間として戻ってくるんだなって確信しかしていませんでした。
第35話での一連の発言、ひたすら永夢達にクロノスの手先になったという事実だけを見せてまるで正宗を騙している印象にしか見えませんでした。
そう、永夢達の前に初めて現れた時に見せた「嘘をつく彼そのものの姿」が見えていたのです。
そして、なんとなく筆者は第35話で終始見せていた九条貴利矢の表情は、かつて第7話で事実が嘘となったことで見せたあの切ない表情(=永夢達に信頼されたい表情)と一致しているなって思ったんです。
本編のエンディングって部分が逆に仇になったネタバレ映像だったよねこれ…w
第36話ではその本性がついに発覚。
概ねの予想通り、クロノスを騙すための算段だったのです!
筆者は全45話の中で、このシーンが一番お気に入りのシーンです。
無念の死亡劇から24話という時を経てついに復活した2人の名コンビ。
永夢は飛彩やポッピーや檀黎斗、そして「もう一人の自分」であるパラドと様々なパートナーが劇中で登場しますが、筆者の中で永夢のパートナーは九条貴利矢こそ最高のベストマッチ
この手の死亡したキャラの復活劇というのは何かと賛否両論になりがちですが、筆者は納得のいくものだったなという感想です。
正確には人間としての蘇生ではなくバグスターという別の形による蘇生であること、決してご都合主義ではないこと、復活して意味あるものだったことなどが主な根拠だったりします。
しかし、何よりも重要なのは死亡前にほとんど見ることが叶わなかった永夢と九条貴利矢のコンビが本編でこれでもかとしっかり見せてくれたことです。
前述しましたが、九条貴利矢と永夢は和解してからわずか1話で永遠と別離となってしまいました。
あれだけ息のあった二人のコンビの活躍がもう見れないなんてというショックがありましたが、約半年という期間を置いてついに復活したから復活してくれて良かったという気持ちになりました。
筆者の中で本作は第36話が一番の傑作でしたねぇ。
その後もしっかり本編で永夢を支える縁の下の力持ちとして頑張ります。
筆者の中で本作は、九条貴利矢を追いかけ続けた1年だったといっても過言ではありません。それくらい思い入れの強いキャラですね。
最初に書いた通り、彼を好きになったことが「全ての始まり」だったのです。
筆者が語りたい本作の主だったキャラ達はこんな感じでした。
挙げなかったキャラにもしっかり「表と裏」の要素はついていますし、魅力的な濃いキャラがいっぱいでしたね。
・デザイン・アクションについて
本作のライダーは全体的に過去作から受け継がれていたデザインの方向性から大きく外れており、そこに拒否反応を示す過去作ファンも多かったです。
概要より。
ライダーといえば「複眼」「目に涙のライン」「触覚」なんて記号のような特徴があるのはシリーズファンではお馴染みですが、本作ではそれを意図的に外しています。
SDガンダム(同じ東映特撮繋がりならカブタックやロボタックの路線?)のような、明確に目の形が描写されていることがライダーのように思えない最ものポイントでしょう。
この大胆な改変に否定的なファンも勿論いましたけど、個人的には話数を重ねるにつれて全く気にならなくなり「これはこれでかっこいいじゃん!」って気持ちに。毎年見てると、最初デザインが奇抜でも数話経過すると慣れるのはお馴染みなので、ライダーのデザインで作品の善し悪しを決めてはいけないのです。
次に、筆者の好きなライダーについてご紹介。
・好きなライダー
一番最初に筆者の心を掴んだのは、「エグゼイド ロボットアクションゲーマー」。
ゲームがモチーフというのはとどのつまりゲームジャンルをライダーのデザインに落とし込めているというわけですが、アクションゲームの強化フォームがロボットアクションゲームなんかい!と当時は笑ってしまいましたw
が、ロボットの名に恥じずロケットパンチを必殺技にしているあたりツボを抑えているなーと。
エグゼイドは第2部で活躍した「エグゼイド ダブルアクションゲーマー」も特にお気に入りです。
2人で1人の仮面ライダーならば7年前に前例がありましたけど、1人で2人の仮面ライダーという形は意外性抜群!
「平成ジェネレーションズ」の初陣から掴みもばっちりでしたよね!
九条貴利矢が好きになってからは、エグゼイドに乗り回される「レーザー バイクゲーマー」も好きになりました。
裏設定によると、バイクゲーマーのような使いにくいガシャットを九条貴利矢に手渡したのは、檀黎斗が厄介者だと危険視した九条貴利矢に、あえて使いにくいガシャットを渡すことで動きを阻害していたなんて聞いたことがあります。
九条貴利矢死亡後は、九条貴利矢なしで無人バイクとしてエグゼイドが1度だけ乗ったきりでしたが、
その次の再登場がなんとレーザー復活後のレーザーターボに乗り回されるという「自分で自分を操縦している」状態にw
その次の再登場がなんとレーザー復活後のレーザーターボに乗り回されるという「自分で自分を操縦している」状態にw
他、レーザーにはレベル3の「チャンバラゲーマー」とレベル5の「ハンターゲーマー」と2種類フォームが追加されこれらも勿論好きですが、筆者が一番好きなのは…
本編復活と同時にお目見えした「レーザーターボ」ですね!きっとレーザーダッシュやスーパーレーザーやレーザー2Xなんてのもいるんだ!(いません
「レーザー ハンターゲーマー」をベースにしている都合上頭のパーツがないのでハゲと一部では呼ばれたりしましたが、個人的にデザインよりもアクションが素晴らしかった。
九条貴利矢の変身といえば、蹴りを使ったかっこいい変身が特徴的。
ですが、レベル1では蹴りはさほど使わないわレベル2は自身は戦えないわレベル3とレベル5は武器メインの戦い方なのに対し、「レーザーターボ」は格闘を主体としたスタイルなんですよね。
先ほど貼りましたクロノスを裏切った時に隙を突いて怒涛の蹴り技叩き込むシーンは、レーザーが実は味方だった!と判明する最初のシーン。個人的名シーンの1つですわ!
他にも「レーザーターボ」は、もう本編では陽の目に出ることはなさそうなガシャットを次々と使ってフォームチェンジも披露していました。
劇中では「プロトコンバットバイクゲーマー」と上でも貼りました「プロトスポーツバイクゲーマー」が登場しましたが、設定上ではリセット前(正宗にプロトガシャット奪われる前)は他のフォームも使えたということに…み、見たかった!
こうしてまとめてみたところ、筆者はエグゼイドとレーザーが特にライダーではお気に入りだったみたいですな~。
・ガシャットのモチーフについて
本作のライダーは、ガシャットをゲーマドライバーに装填することで変身します(※パラドクスレベル50の例外は有)。
ガシャットはゲーマドライバーに2箇所装填出来るスロットがありまして、右側がライダーのベース(素体)、左側がオプションを召喚し強化という形です(中盤から1つのガシャットで2つ分のスロットを使うダブルガシャットも登場しましたが)。
玩具のゲーマドライバーではどのガシャットも左右それぞれで鳴るサウンドが別なので、例えば劇中では右側にしか装填されることのなかった「マイティアクションX」や「タドルクエスト」なんかも、左側に装填していれば強化フォームとなり得たのかななんて妄想が広がりますよね。
また、左側のスロットにガシャットを装填するとオプションが出てきてそれはガシャットのゲームのアイテムなりキャラが登場するわけなんですが、バグスターも対応するガシャットのゲームのキャラなんかがモチーフになっていまして、そこからガシャットの元のゲームがどんな作品だったのかなぁ…なんて妄想が広がりました。
筆者は本作のモチーフとなっているテレビゲームが好きな人間だったりしますが、放映当時はバグスターやライダーのフォームにそれぞれモチーフとなっている既存のゲームがあるのではないか?という考察を日々繰り広げていました。
以下、Twitterで書き連ねていた個人的ガシャットの元ネタ(だと思われるゲームや要素)を列挙していきます。
※筆者のこじつけ成分多大にあります
エグゼイド
・マイティアクションX…元ネタ『マリオブラザーズ』(対応するゲーム空間は『スーパーマリオブラザーズ』、武器の「ガシャコンブレイカー」は『ドンキーコング』のハンマーか?)
・ゲキトツロボッツ…元ネタ『超鋼戦紀キカイオー』
・ドラゴナイトハンターZ…元ネタ『モンスターハンター』
・マイティブラザーズXX…元ネタ『スーパーマリオブラザーズ』
・ジュージューバーガー…元ネタ『バーガータイム』
・マキシマムマイティX…元ネタ『スーパーマリオ64』(3D的な動きが多いって意味で64かなぁ…と(無理やり))
・ハイパームテキ…元ネタ『スーパーマリオ』シリーズの『スター』
・マイティクリエイターXRX…元ネタ『スーパーマリオメーカー』(マリオペイントでも良し)
ブレイブ
・タドルクエスト…元ネタ『ドラゴンクエスト』
・ドレミファビート…元ネタ『ビートマニア』
・タドルファンタジー…元ネタ『FINAL FANTASY』(つまりライダースタッフの中においてFFはドラクエの25倍強い(暴言)
・タドルレガシー…元ネタ『LIVE A LIVE』(の中世編と書くほうが正確?)
スナイプ
・バンバンシューティング…元ネタ『Call of Duty』
・ジェットコンバット…元ネタ『スカイキッド』(ガシャットの音はまんまジェットマン)
・バンバンシュミレーションズ…元ネタ『大戦略』(艦これって意見多しだけど、娘要素はなかったので…(小声)
レーザー
・爆走バイク…元ネタ『エキサイトバイク』
・ギリギリチャンバラ…元ネタ『朧村正』
ゲンム
・プロマイティアクションX…元ネタ『ドンキーコング』(マリオの前、ならドンキーコングかなぁと)
・シャカリキスポーツ…元ネタ『チャリンコヒーロー』(会社的な繋がりで(ぇ)
・デンジャラスゾンビ…元ネタ『バイオハザード』
パラドクス
・パーフェクトパズル…元ネタ『パズル&ドラゴンズ』(ぷよぷよクエストもありそうだが…w)
・ノックアウトファイター…元ネタ『鉄拳』(本編でも鉄拳出てきてたし、武器や飛び道具使わないあたりストファイではなさそう)
・パーフェクトノックアウト…元ネタ『パネルでポン』(パネポンは筆者の中でパズル対戦格闘ゲーム(こじつけ)
ポッピー
・ときめきクライシス…元ネタ『ときめきメモリアル Girl's Side』(本家じゃないのがミソ。ラヴリカが攻略するヒロインなんだと考えるとGSの方が適任)
クロノス&ライドプレイヤー
・仮面ライダークロニクル…元ネタ『Grand Theft Auto』『クロノトリガー』
風魔
・ハリケーンニンジャ…元ネタ『ストライダー飛龍』(いろんな忍者ゲーがありますが、飛龍は3でリメイクもされて3DにもなったのでVRっぽいなーとか)
こう見ると、様々な年代時代問わずのゲームをライダーに落とし込んでいてすごいですね!(ほとんどがこじつけです
・シナリオについて
本作の基本は、全45話の4部構成+劇場版「トゥルー・エンディング」から成る物語です。
それぞれの部ごとの特徴と感想をまとめていきます。
・第1部「10のゲーム編」
開幕である第1部では、「10本のガシャットから生まれたバグスターを仮面ライダー達が攻略する物語」です。
謎のライダーゲンムも暗躍しつつ、エグゼイド・ブレイブ・スナイプ・レーザーの4人でバグスターを討伐する構成になっています。
今にして思えば、「一番今までの仮面ライダーっぽいようで本作の中では歪な物語」だったというのが筆者の印象です。
第1部では1話限りのゲスト俳優もたくさん登場し、毎週どんどん新しい怪人が現れたりと従来の仮面ライダーをある程度踏襲した構成でした。
その一方で、バグスターを倒しても謎はどんどん増えていくという後の部に大きな影響を与える伏線の数々も出てきて、今年のライダーは先が気になる感じだねーなんて考えていたのを記憶しています。
序盤のクールは毎週のように新フォームがどんどん出てくる様は近年の平成ライダーではお馴染みのパターンですが、本作の場合「鎧武」以来の最初期から複数のライダーが登場することが確定していたこともあって、エグゼイドだけでなく他のライダー達もどんどん出てきて話題性がありました。
4人のドクター達は、最初は考え方も全くのバラバラでバグスターを討伐することの他に新しいガシャットの奪い合いなんかも勃発していましたが、これはかつての「OOO」のメダル争奪戦を彷彿とさせられる展開で見ていて楽しかったですね。
この時点でドクター達はまだ全く考えが合わない感じでしたが、ドラゴナイトハンターZガシャット=「ハンターゲーマー」の登場による超協力プレーから息のあったコンビネーションも見せるように。
話数を重ねるにつれて少し絆が深まっていきましたね。
しかし、徐々に息のあったコンビネーションを見せていたドクター達がたどり着く第1部での結末は、前述の「九条貴利矢の死亡」という衝撃の展開でした。
本編で徐々に見せていた仲の良さを一気に引き裂くこの展開に、ショックを受けた視聴者数知れず。
筆者の場合、「これは絶対に最後まできちんと見ないといけないライダーだな」と、本作に火が付いたのはこのラストからでしたね。
第1部の最大の特徴は、続く第2部のラスボスである檀黎斗とパラドによる壮大な実験=前座でしかなかったという序章に相応しい物語であることだと筆者は思います。
ドクター達は毎回必死にバグスター討伐をしているのに対し、檀黎斗とパラドはこれから起こる大きな計画(=仮面ライダークロニクル)への準備を着々と進めている。
この二人は第2部から本格的に動き出しますが、この時点ではまだ「謎多き敵」以上の印象がなかったのも後の活躍考えるとギャップがありました。檀黎斗に関してはあまりにもギャップがでかすぎるけど!
「永夢。世界の、人類の運命は任せたぜ。忘れんなよ。お前がお前でいる限り、お前はお前だ!お前の運命は永夢、お前が変えろ!」
九条貴利矢の最期に遺したこの言葉。
後に第2部で永夢を覚醒させる大きなきっかけになり、閉幕となります。
まとめるならば、「序章」に相応しい掴みでしたね。
・第2部「永夢の秘密編」
続く第2部では、タイトル通り宝条永夢とは何者なのか?という部分についての掘り下げをメインに据えた謎解き編となります。
第1部の頃から「適合手術を受けずにライダーに変身出来る」「一人称が変わる」等謎多き永夢でしたが、その理由をじっくり描いていた章でした。
主人公の出生が特殊だからそれゆえにライダーに変身出来るというのは平成ライダーだとよくある展開ですが、その出生に関して1クール分の時間を使ってゆっくり解き明かしていくというスタイルは斬新でしたね。
そして、この謎に関して同時期に公開された映画「平成ジェネレーションズ」も大きく関わっています。
「平成ジェネレーションズ」は作品単体で見ても高評価な作品だったりしますが、永夢の出生に関する設定を拾ってのちの本編と連動させていた所も好きです。
何が良いって、「別に見なくても問題ない程度の扱いでしかないが、見たら見たら今後の本編がより楽しくなる」という位置づけになっていたからですね。
永夢の秘密、といえば第2部は永夢が中心のお話のように見えますが実は全く違います。
筆者の中でこの章は、「檀黎斗によるドクター達への挑戦の章だった」と解釈していたり。
デンジャラスゾンビガシャット=ゾンビゲーマーの不死身の力を得た檀黎斗はこのクール内で何度も何度も死を体験することでパワーアップを重ねるという凶行を行い、本人も本性を現したことで第1部の頃に見せていた「謎多き敵」から一気にマッドサイエンティストの塊のようなキャラに。
俳優の怪演もあったことで、倒される最期まで濃すぎる存在をアピールしていました。この後もっと酷くなると誰が予想していたのだろうか(ぇ
反面、バグスターとの戦いを中心としていた第1部から一変してゲンムが毎回現れてはやられるという展開を繰り返していたので、戦闘部分では割と退屈に見えてくる章ではありました。
この章の地味な特徴として、「OPテーマの『EXCITE』がEDテーマに変更されている点」があります。
平成ライダーで正式にEDテーマが使われていたのは、12年前の「仮面ライダー響鬼」以来の仕様です。しかもOPテーマからEDテーマに切り替わるというのは史上初。
OPを削除した理由としては、尺を少しでも伸ばすための措置だったようですが、個人的にはOPがなくて物足りなさの極みでしたね。
ただし、この仕様によって「宝条永夢ゥ!」という名シーンが生まれた事実もあるから一概に悪い部分だけでもなかったりしますが…w
第2部開幕の顔として出したダブルアクションゲーマーも初陣だけ大活躍でその後の活躍はあまり戦績を上げられずにいたのも残念な点の1つ。
意外にも、ブレイブのファンタジーゲーマーも初陣以外ぱっとした印象がなかったのも強いです。
ガシャットギアデュアルβ(ファンタジーゲーマー・シミュレーションゲーマー)もこの時点では1個しかなかったせいでブレイブとスナイプの活躍が半減していたのもマイナス。
満を持して登場したパラドクスのパズルゲーマーとファイターゲーマーに関してはまずまず。
そして衝撃の結末で終わらせるスタイルは第2部でも変わらず。
ゲンムの不死身の力をもってしてもドクター達への挑戦に失敗した檀黎斗を殺害するパラド。
パラドクスのヒーロー然としたデザインやゲンムに対して敵対する意思表示をしていたことから「仲間になるのではないか?」とこの時期ファンには考察されていましたが、全くそんなことはなかったどころかむしろ第3部で(一時期だったけど)ラスボスとしてドクター達に立ちはだかる最強のバグスターとして登場するのでありました…!
第2部はライダーやフォーム数も増えアクションやギミック面で充実してきたこと、本作の裏のテーマだろう「表の裏」の要素が徐々に表面化していったことで、本作への興味を一気に加速させた章でした。
ドクター達の絆も、マキシマムゲーマーが第1部の主要ドクター4人のお陰で誕生したフォームという事実により、九条貴利矢不在の状態でも更に深くなっていることを描写し、ゾンビゲーマーとの最終決戦は中々の激闘でありました。
色々とマイナスポイントは目立つものの、何よりも「毎週が最終回のノリのようにしか見えない」という気持ちにさせるほど飛ばしに飛ばした怒涛の展開の数々は評価したいですね。
・第3部「仮面ライダークロニクル編」
パラドによる人類への宣戦布告から始まる第3部は、第2部の檀黎斗の悲願であったデスゲーム「仮面ライダークロニクル」が起動されたことで、バグスターVS人類の戦争が表面化するというハードなスタートを切ります。
一般人もドクターのようにライドプレイヤーと呼ばれる仮面ライダーとなってバグスターを倒し、全てのバグスターを倒したものが得られる最強の仮面ライダーのクロノスとなって、最終的にラスボスである最強のバグスターゲムデウスを倒すという流れですが。
その実態は、バグスター側がライドプレイヤーとなった人類を一方的に虐殺し、最終的には人類を滅亡させるというバグスター側のワンサイドゲームでした。
この章は中盤にして結末の根幹を担っているだけあって、イベント量がものすごく多く第2部に引き続いて毎週が怒涛の展開の数々で息つく暇が一切ありませんでした。
いはいる、ゲストに焦点当てた単発回なんかも一切存在せずひたすらライダー側と幻夢コーポレーション側とバグスター側の3すくみで戦い続けている感じですね。
順を追って解説するならば、まず最初に起こったイベントは長い間謎であったパラドの正体について解明されます。
何かと永夢の影のような存在として描かれ続けてきたパラドでしたが、第2部で判明した「世界で初めて誕生した原初のバグスター」であったという事実が発覚します。(前述の平成ジェネレーションズの一件もここで完全に解明されます。)
そして、バグスターの遺伝子を書き換えることでパラドクスを変身不能にしようとしたマキシマムゲーマーのリプログラミングによって、逆に人間の遺伝子を手に入れてしまい誕生するのがパーフェクトノックアウトゲーマーです。
パラドはどんどん強化されていき、バグスターの主人公としてドクターの主人公である永夢との全面戦争に発展…するのかと思いきや。
ここからパラドにとって完全に計算が狂うイレギュラー要素がたくさん現れてきます。
1つは、自分の命のデータにバックアップを取り、ポッピーがバックアップしていたガシャットを起動させたことで完全復活を遂げる第2部の主人公ラスボスこと新檀黎斗。
仮面ライダークロニクルをクリアしたものが得られる最強の力クロノスを自分の手に収めて君臨したラスボスの檀黎斗の父檀正宗。
クロノス攻略のために手に入れたゲムデウスのウイルスを無効化するために復活させた九条貴利矢ことレーザーターボ。
ここまで死亡したキャラの復活劇及び全ての黒幕の登場により、パラドが主人公である仮面ライダークロニクルは一気に崩壊を迎えます。
クロノス登場以後は仮面ライダークロニクルによるバグスターVS人類の戦争という部分は影が薄まり、クロノスを打倒するドクター達という構図に切り替わります。
このクロノス、筆者は前作「ゴースト」のガンマイザーのように中盤に出てくる作品を引っかき回し、ラスト手前で退場する中ボス的な位置づけでしかないキャラとしか最初は考えていませんでした。しかし、結果的にラスボスとして君臨することに。結構しつこいラスボスだった(暴言
クロノス自体は確かにスペックは最強のライダーですが、度々弱点や穴があることが露呈してドクター達がその隙を突くスタイルが何話も続くのですが、檀正宗はそれらを全て見透かしているかのような巧みな戦術や能力でドクター達の作戦を突破していきます。
前述のレーザーターボをけしかけたことにしかり、エナジーアイテムの完全管理やリセット能力、飛彩の恋人の命を人質に取るなど、クロノスが打つ作戦の数々はさながら知恵のデパートのような代物。
ある意味で、第2部の「檀黎斗によるドクター達への挑戦の章」という部分は、第3部では檀正宗に切り替わっているかのような印象でしたね。
第3部後半(クロノス登場以後)の特徴として、今まで共闘を重ね続けてきたが決して距離を近づこうとしなかった飛彩と大我の距離があることをきっかけに一気に縮まったことです。
前述通り、飛彩は恋人を正宗に人質に取られ、敵にならざるを得ない状況を作られてしまいます。
大我は飛彩の恋人を救えなかった過去を持ち、贖罪の気持ちで彼女を殺したグラファイトに挑みかかり、瀕死の重傷を負います。
結果的に飛彩は恋人の命を救う道を断念し、大我を救う道を選択するのですが、長い間不仲であった二人がここにきて和解に至り、ここまで追ってきて感慨深いものがありました。
そして続くは前述しましたパラドの和解。
彼は仮面ライダークロニクルの主人公だと思い込み人類を一方的に虐殺してきましたが、クロノスによってバグスターの不死の力は無効化され、レベルインフレによってパーフェクトノックアウトゲーマーの実力ではクロノスは勿論ライダー達にすら太刀打ちできないほどに追い込まれてしまいます。
彼は仮面ライダークロニクルの主人公だと思い込み人類を一方的に虐殺してきましたが、クロノスによってバグスターの不死の力は無効化され、レベルインフレによってパーフェクトノックアウトゲーマーの実力ではクロノスは勿論ライダー達にすら太刀打ちできないほどに追い込まれてしまいます。
次第と自分が最強ではなくなった事実に恐怖を覚えるのですが、永夢は「自分の中にいるもう一人の自分である」と考え、彼の力を使ってクロノスを倒すため、罪を償わさせるため決死の説得に入ります。
つまり、この二つの案件により今まで表面上の問題であったライダー同士の不仲問題が一気に解消されて、全員の心は1つになるという道にたどり着くんですよ。
死亡組のレーザーターボや神檀黎斗も加わり、ここまで登場してきた全てのライダー達が、終盤になって「クロノスを倒して仮面ライダークロニクルを止める」という1つの目的が一致し集結していく物語は、最終決戦に繋がる最高に熱い導入でございました。
ギミック面では、エグゼイド最強のフォームのムテキゲーマーが登場。
マキシマムゲーマーが「主要ドクターのお陰で誕生したフォーム」ならば、ムテキゲーマーは「主要ライダー全員のおかげで誕生したフォーム」というマキシマムゲーマーの上位互換としての意味合いがきっかけから読み取れる所が筆者の胸に突き刺さりました。
不死身だの時間停止だのゲームリセットだの普通のゲームならチートだと罵られる行為をあえて能力に加え本編に落とし込めるスタイルはゲームをモチーフにしたライダーとして100点の要素だと思います。
そしてムテキゲーマーの無敵に関しても筆者は「こんだけ敵がチートみたいなことしてきたんだし、問題ないよな」って感想になるあたり、本作らしい能力だと評価したいw
全章の中では一番の長編で、パラドが栄華を極める前半とクロノスが登場する後半とで主に話が分かれますが、やはり九条貴利矢の復活がでかいのか筆者は後半が圧倒的に好きで、この時期が本作を見ていて一番熱量が高まった時期でしたね。
全章の中では一番の長編で、パラドが栄華を極める前半とクロノスが登場する後半とで主に話が分かれますが、やはり九条貴利矢の復活がでかいのか筆者は後半が圧倒的に好きで、この時期が本作を見ていて一番熱量が高まった時期でしたね。
・第4部「トゥルー・エンディング編」
全5話と一番尺の短い最終章。実質第3部の終盤戦のようなものです。
区切りとしては、正宗がバグルドライバーのリセット能力を使用~エピローグまでの話がここに当たります。
これまでの集大成、本作のゴールに当たる章なだけあってライダー達が築き上げてきた絆が一気に爆発していきます。
ブレイブ&スナイプの因縁のバグスターのグラファイトとの決着の第41話。
エグゼイド・ブレイブ・スナイプの3人の気持ちが一致し、クロノスを打倒する第43話。
最後のバグスターであったポッピーとパラドの決死の特攻からの、
第1部からリストラしたレベル1によるゲムデウスを攻略する第44話。
初期メンバー+ゲンムによる最終決戦の第45話。
文章に書いているだけで脳内から思い出が蘇るシーンの名シーンの数々で、ここまでの過程を思い出すほど感動する章でございます。
意外だったのが、ラスボスだと思われていたゲムデウスも結局クロノスによって利用されるだけの1バグスターに過ぎなかった点でしょうか。
クロノスこと正宗の執念深さがこれでもかと描かれていたのも印象深いですね。
この章で何といっても取り上げなければならないと思った点は、「総じて本作はハッピーエンドではなかったこと」です。
確かに、クロノスこと正宗による仮面ライダークロニクルを使った人類の命の管理はライダー達の活躍により終焉を迎えました。
その一方で、永夢は「正宗がきちんと罪を償うこと」と「クロニクルで犠牲になった人々を全員助け出すこと」を目的に挙げていましたが、この2点に関しては達成することがなく本編が終了していまいます。
前者は、正宗がライダー達を自分達と同じ命の冒涜者と罵り自殺。
後者は、クロニクルで犠牲になった人々の命のデータこそあれども、それを実体化させる術が存在しないので助けることが出来ないのがそれぞれの理由に当たります。
後者は、クロニクルで犠牲になった人々の命のデータこそあれども、それを実体化させる術が存在しないので助けることが出来ないのがそれぞれの理由に当たります。
前者の部分は、皮肉にも第2部で永夢が檀黎斗にさせようとしていた「きちんと罪を償うこと」をパラドが虐殺したことにより叶わなかったことと全く同じ結末になってしまいました。
要するに、「仮面ライダークロニクルというゲームの被害を止めることはできたが、誰一人仮面ライダークロニクルを攻略することはできなかったエンド」だったということです。
ある意味でバッドエンドとも取れるのではないか?
そこまでは言わないにしても、決して喜べる結末ではなかったと筆者は考えます。
そこまでは言わないにしても、決して喜べる結末ではなかったと筆者は考えます。
しかし、人類はライダー達の活躍で被害を最小限に抑えられたことは紛れもない事実です。
そういう意味でライダー達のやってきたことは無駄ではなかったという安心感は確かに感じました。
ハッピーエンドではなかったが、何一つ希望のない結末だったとも言えない。この何とも言えない感じの結末は、18年続く平成ライダーにおいて唯一無二の本作らしい結末だったのではないかと筆者は高く評価したい。
・劇場版「トゥルー・エンディング」
第4部開始の第41話と第42話の放送日の間に公開された劇場版。
映画館で見に行った時の感想は上記の過去の感想記事でまとめていますのでそちらも良ければ。
ここでは、本編終了後に再び見に行った2週目で受けた印象の感想をまとめます。
さて、劇場版はそれまではあくまで「時系列は不明」としていましたが、本作の最終話のラストにおいて「最終回からの後日談であること」が初めてアナウンスされました。
映画『劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』が一体いつの時間軸の話なのかということは、最終回放送後まで公式発表を控えさせていただいておりました。これは8月中のテレビ視聴に対する楽しみを奪わないために配慮させていただいた結果で、決して混乱させるためではありませんでした。主にポッピーピポパポとパラドの結末に関して、『トゥルー・エンディング』が最終回の後日談であると言い切ってしまうと、先が読めてしまうためです。
本作の第4部の第44話では、ポッピーとパラドが決死の特攻をかけて死亡するという展開がありましたが、それに対し劇場版では二人共問題なく登場しています。
おそらくはここの部分の混乱を避けるための措置だったというのが公式の見解のようです。
確かに「ポッピーとパラドは何故映画で生きてるんだ?」っていうのが第44話と第45話が放送されるまでの一週間疑問符がついてはいましたが、そこまで厳重に隠すほど重要な案件だったのかなというのは振り返って思うことではありますね。
公式が公開前にアナウンスしていたように「龍騎」や「剣」のようなパラレルではなく、きちんと本編の後日談描いた完結編だったというのがシリーズ史上初でしたね。
本作を2週にした感想としまして、筆者が最も訴えたいことがあります。
まずは先ほど書いた文を引用。
この章で何といっても取り上げなければならないと思った点は、「総じて本作はハッピーエンドではなかったこと」です。確かに、クロノスこと正宗による仮面ライダークロニクルを使った人類の命の管理はライダー達の活躍により終焉を迎えました。その一方で、永夢は「正宗がきちんと罪を償うこと」と「クロニクルで犠牲になった人々を全員助け出すこと」を目的に挙げていましたが、この2点に関しては達成することがなく本編が終了していまいます。
本作第4部は、結果的にハッピーエンドとは呼べないというのは筆者の見解です。
それに対する劇場版、こちらは第4部のラストで見せた悲しい結末に少し希望を持たせるような作りになっていました。
根拠としては2つ。
1つは、映画のキーパーソンであるまどかと影成のドラマです。
詳しい話は以前の記事を読んでいただくとしまして、まどかの持つ難病という部分と、仮面ライダークロニクルで救えなかった人達の部分に類似性を筆者は感じました。
まどかは劇場版において難病を克服するという気持ちを父親との再会を通し誓います。
仮面ライダークロニクルで救われなかった人たちも諦めないで希望を持てば、いつかは必ず救うことができるかも知れない。
本編の最終回で永夢が発言していたことですが、まどかの難病に立ち向かう姿とそれは一致していて、ドクター達は決して諦めていないことが伝わります。
もう1つは、劇場版のEDでの後日談より。
上記の記事では九条貴利矢がEDで発言していたセリフを「ソルティのワクチン」と誤記しているんですが(あえて修正せずそのままにしています)、正しくは「ソリティワクチン」と発言しています。
ゲーム病患者に対するワクチンとのことですが、ゲーム病用のワクチンなのかな?と推測が出来ます。
ほかにも、EDの映像内ではVR技術を使った医療技術、大我が私設のゲーム病の病院を建てる等、ゲーム病に対して動きがあることを描写していました。
先日はエグゼイド後夜祭ありがとうございました。高橋さんと「言わなきゃ」と言ってのに言い忘れたことが一つ。
— 大森敬仁 (@Takahito_Omori) 2017年8月29日
トゥルー・エンディングの舞台は1年後ではなく、テレビシリーズ直後です。まどかが「二学期の運動会」と言っているのでちょうど今日あたりかと。
エンドクレジット以降が1年後です。
プロデューサーの発言によると、ED内の映像は劇場版本編から1年後とのことで、1年間でこれだけの動きがあったんだというのが伝わります。
ただ、このツイート1つ指摘すると「トゥルー・エンディングの舞台は1年後ではなく、テレビシリーズ直後です。」って発言は少し不適当。
というのも、本作ラストこと第45話は、クロノスを倒すまでとエピローグまでで約半年の開きがあるからです。
その根拠は、ニコの描写です。
ニコはクロノスを倒した直後は進路に思い悩んでいるのですが、エピローグの大我のパートでは卒業証書を持ってきて病院で働きたいと言っています。
クロノス打倒をした時期は夏服を着ていたことから推測しても、リアタイ放送日と同じ8月前後と仮定するとして、そこから卒業したということはエピローグまでで半年経過している(ニコの高校が3月以外に卒業するということなら話は別かもしれないが翌年3月と仮定します)という計算に。
そこで「まどかの二学期の運動会の時期がこの今日辺り(ツイートした8月29日)」とのことなので、本作エピローグから更に5ヶ月は経過しているという計算になるはず。ならないなら明らかに矛盾しています。
上記の発言時、「直後」という言葉と同じ8月であるという部分が合致したせいで「時系列矛盾してないか?」というツッコミがたくさんありましたが、筆者は上記のように考えれば矛盾はないかなと勝手に納得しました。
つまり、クロノス打倒から1年は経過してる計算をしないといけないのに「直後」って言っちゃってるのが不適当だなってことですね。
話は戻しまして、その本作エピローグラストから5ヶ月は経過した劇場版本編、その劇場版終了後のEDが流れている時で更に1年とどんどん未来に進んでいることが分かりましたが、そういう意味で時間が経過したことで医療技術が進化して、希望の持てるエンディングになっているんだなと筆者は感じた次第であります。
まだ本作のラストの展開もわからないまま見に行った時は「思ったよりも手応えはなかった」という感想でしたが、全てを知った後に見ると「すんなり後日談をやっているんだな」って心から思える二度美味しい映画でしたね。
従って、劇場版は本編見終わった後に絶対に見るべき映画だと筆者は断言します。
正真正銘パラレルでも何でもない「真の完結編」ですからね!
ラスボスはどうやら檀黎斗神であることが決まっているようですが…放送が終わってもまだまだ世界が広がるエグゼイド。当然筆者はこちらも絶対見ますよ!
正真正銘パラレルでも何でもない「真の完結編」ですからね!
・そして…
本作最終話のラストにおいて「劇場版は後日談であること」がアナウンスされたと同時に…
「鎧武外伝」から恒例となっているVシネマ、本作でも制作決定でございます。
本作のVシネ自体、やるだろうというのはファンの中でも最初期から言われ続けていたことでした。
本作のライダーはたくさんいますし、誰を主人公にしても一個の短編は作れるくらいの魅力はありますからね。
そして、そのVシネマが決定する前に話題になったのが「誰が主人公なのか?」という部分でした。
本作は主人公になれると言えるだろうライダーはTVシリーズの主人公であるエグゼイドを除けば6人(ブレイブ・スナイプ・レーザー・ゲンム・ポッピー・パラドクス)。
「鎧武外伝」は4人、「ドライブサーガ」では3人、「ゴーストRE:BIRTH」では1人と主人公の数は毎回変動こそありますが、原則的に1人~2人くらいだろうというのが大多数の見解だったと思います。
本作のVシネ、まさかの先ほど挙げた6人全員主人公でしたw
「人気のある誰かを厳選するのではなく、全員主人公…そうきたか!」と筆者は呆気に取られてしまいましたねw
どうやら劇場版から2年後のお話とのことなので、ゲーム病の医療技術がもっともっと進化して仮面ライダークロニクルの犠牲者を救い出せるようになった環境下の物語になっているのだろうか?
・総評
長々と感想を書きましたが、こんだけ長く語りたいということはそれだけ面白かったということです。
ゲームと医者なんて荒唐無稽な要素から、ここまで壮大な「命を巡るドラマ」に発展するとは筆者は全く予想だにもしていませんでした。
本作を1年通じて追いかけて最も言いたいこととしましては、「人として健康に生きてることは幸せなことなんだよな」ということ。
現実にはバグスターやゲーム病なんてものはないかもしれませんが、患者になるということは治療するドクターが奮闘するという構図は現実の医療でも同じこと。
健康な体を持って当たり前の日常を生きていることは、かけがえのない幸せなんだと本作を通じて筆者が一番感じ取ったことでした。
そんな永夢と、永夢と志を一緒にしたライダー達の一年間の物語。
素晴らしかった。ただただ、その一言に尽きます!!!
スタッフの皆様、一年間本当にお疲れ様でした。
素敵な作品を、ありがとうございました!!!