前回の更新が去年の7月なので、約半年ぶりになりますね。
レトロフリークに吸い出して遊んでクリアしたゲームの感想まとめシリーズ第2弾です。
今回クリアしたゲームはこちら。
2004年に発売されたGBA用ソフト「ドラゴンボールアドバンスアドベンチャー」です。
現在もアニメが放送されてる日本を代表する傑作漫画「ドラゴンボール」を題材にしたゲーム作品です。
原作となった「ドラゴンボール」といいますと、日本のアニメや漫画が大好きな人(特に野郎)には最低限名前くらいは聞いたことあるだろうと言わんばかりの、聖書のような存在になっている作品でございます。
筆者も兄と共に幼い頃に原作の「ドラゴンボール」を単行本で買って読んでいたのと並行して、アニマックスの再放送によってアニメ版も何度も視聴した大好きな作品の1つ。
どれだけ凄かったのか一例を挙げますと、全世界で累計2億3千万部の漫画が売れました!
…もうこれだけでパワーワードの塊のような作品なのが分かりますよね。
それだけの人気と、「冒険」「バトル」を全面に押し出した作品のわけですからテレビゲームの題材にはうってつけで、その作品数は膨大なものとなっています。
筆者が現在吸い出したゲーム郡の中でもこれだけありましたが、こんなの全体のほんの一部分ですねw
さて、上記の画像郡を見ても推察出来る事なのですが、実はそんな膨大な数存在する「ドラゴンボール」のゲームは、アニメ版第2作「ドラゴンボールZ」を題材にした作品が9割以上を占めています。
大まかな理由としては、 「ドラゴンボールZ」の時期に「ドラゴンボール」は大きな人気を得たことと、ゲームの題材にしやすい要素がこれでもかと詰め込まれているからではないかと推測。
前置きが長くなりましたが、本作はそんな「ドラゴンボールZ」という強大な続編に関しては一切取り扱わないアニメ版第1作「ドラゴンボール」(以下「元祖」) のみに題材を特化しているという「ドラゴンボール」のゲーム史上非常に特異な存在と言える作品です。
前例と言える作品は、初代「ドラゴンボール」のゲームである「ドラゴン大秘境」(スーパーカセットビジョン)やファミコンの「神龍の謎」及び2作目「大魔王復活」や3作目「悟空伝」くらいです。以降15年ほど「ドラゴンボールZ」のゲームしかほぼ発売されていませんでした。
本作が発売された2004年頃というと、ちょうど原作完全版やDVDBOXなんかが発売して「ドラゴンボール」のリバイバルブームが起こり始め、PS2の「ドラゴンボールZ」シリーズも大ヒットを記録していた時期です。
このゲームもめっちゃ好きです。ベジータがナッパを殺されて「ナッパは良い奴だった!」ってブチギレたり、クリリンを吸収したセルこと「セルリン」なるカオスなギャグキャラが生まれたり、極めつけはミスターサタンがセルを倒してハッピーエンドになるモードがあったりゲームだからこそできる何でもあり感がたまらんw
リバイバルブームが起こった時代にあえて、ほとんど取り扱われることのなかった元祖の物語を題材にするゲームを作ろうと考えたこのゲームの開発者は中々粋な企画をしたなぁとそこから評価したいですね。
このゲームと筆者の出会いは、ずばりVジャンプでの発売告知を見た時でした。
発売当時から欲しくてたまらなかったゲームなんですが、本作の発売日(2004年11月18日発売)と同時期に発売していた「キングダムハーツ チェインオブメモリーズ」(2004年11月11日発売)とどちらを買うか迷った結果「キングダムハーツ チェインオブメモリーズ」を選択しちゃって当時は遊ぶことが叶いませんでした。
こっちはこっちで当時は楽しく遊んだのですが、12年ほど経過して大人になってからハードオフで完品500円で見つけてしまい、もう買うしかないぞと当時買えなかった悔しさを見事払拭しました!
ゲームの内容は、悟空を操作するアクションゲームです。
ファミコン時代の大半を占めていた「カードゲーム+RPG」のような奇抜なジャンルではなく。
純粋なアクションゲーム。
ちなみにファミコン時代こういう奇抜なゲームばかりだったのは、原作の格闘アクションをファミコンの技術で再現するのが困難だったことによる苦肉の策だったみたいですね。つまりは、本作のようなガッチガチのアクションゲームが登場したのはゲームハードが進化したが故にと言えるでしょう。
基本的には横スクロールアクションの本作なのですが、主に3つのアクションステージが用意されていて、ストーリーモードは可能な限り原作と同じ展開にしつつそれらが入り混じっているステージをクリアしていく流れになります。
1つは最もステージ数の多い横スクロールアクションステージの「ゴチャバトル」。
ノリとしては「悪魔城ドラキュラ」のようなものだと思ってください。ひたすら先に進みつつ広大なフィールドを探索していきます。
このゲームのメインを担っているだけに一番面白いパート。
ほぼ原作通りの悟空の冒険を追体験することが出来るのです。
悟空の攻撃方法も多彩でして、Bボタン連打でコンボが決めれる他に、画像のように無敵となって全体攻撃をする如意棒の乱舞技やゲームを進めると徐々にパワーアップしていく高威力の「かめはめ波」も使えます。
アクションゲームにおいて技のバリエーションが豊富ということは、それだけ立ち回りの仕方が多くなるというもの。好きなように動かして戦えてザコ敵を無双していく様は爽快です。
次に「スカイバトル」。
名前の通り空中戦なんですが少し操作の仕様が変わります。
ジャンプがなくなり高低差のあるステージを駆け巡ってボスを倒していくモードです。
原作の筋斗雲を再現したアクションステージと言えるでしょう。
自由度があんまりないと言えばそれまでなんですが、雰囲気再現は十分。ステージ数が少ないのが残念な点と言ったところでしょうか。
とは言っても、画像のVSタンバリン戦はゲームオリジナルの展開。
原作では地上で悟空が一方的にボコボコにしてタンバリンが空を飛んで逃げたところを悟空がかめはめ波で仕留めて死亡という流れでしたが、本作ではボスキャラとして空中戦をします。死闘という意味ではこのゲームオリジナルの展開も悪くはなかったですね。
最後が「タイマンバトル」。
2D対戦格闘ゲーム風の1VS1のボスキャラ対戦パート。
あくまで本作はアクションゲームなので、格ゲーというとちょっと粗のあるアクションステージですね。
双方ガードゲージがあり、ガードゲージを0にすることで相手が行動不能になってそこに攻撃を叩き込むという感じです。
はっきり言って、問題点が多いアクションステージ。
気になった点を列挙すると、
・如意棒が使えない(武器が禁止の天下一武道会に限らず全ステージ共通。それにより、ゴチャバトルと比べて攻撃のパターンが減っている)
・ガードゲージは減ってから即回復してしまうので、ちまちま攻撃しては双方埒が明かず試合が終わらない。
・かめはめ波が使用可能でガードゲージ関係なしにHPが減らせるが、こちらが貯めている間にも敵は猛攻を重ねてくるのでロマン技。使用中鋼体付きと言った仕様もない。頑張って貯めてもかわされることも多々あり。
・エリアル(空中攻撃)技があって爽快感抜群なのだが、エリアル技+空中コンボの連続技が一番火力があるため接近→ガードケージ崩す→エリアル→空中コンボ…というのをひたすら繰り返すだけの極めて作業的なプレーになりがち(地上でのコンボ技もあるのだが体力は全然減らないので時間がかかる)
と言ったところで、ワンパターンな攻めでちまちま相手の体力削るだけの作業ゲーという代物でした。
原作で一番盛り上がるはずのバトルパートが一番本作では面白くなかったという逆転現象が発生しています。
アクションゲームのゴチャバトルの仕様を中途半端に格ゲー寄りにしているのが最もの要因ですね。やるのであればとことん突き詰めてほしさがありました。
ちなみにこのタイマンバトル、フリープレイで悟空以外のキャラも使って対戦することも可能なんですが、キャラ性能の差が極めて激しい代物で友達同士でやればリアルファイトに発展しそうです。
ゲーム内容は大雑把に話すとこんな所なんですが、個人的にはゴチャバトルステージは毎回ワクワクしながら遊んでましたが、他2つは再現度こそ評価するもののゲームとしての面白さはそこまで・・・と言ったところでしたね。
が、キャラゲーとしては十分合格点です。
本作で最も評価したいのは、約15年ぶりに発売した元祖を題材にしたゲームということもあってか原作愛の溢れた演出の数々があったことです。
立ち絵のグラフィックも鳥山明のイラストに忠実で全く違和感ありません。
原作読んでた時からあんまし可愛いと思ってなかったブルマもこのドットだと異様に可愛く見えます(暴言
原作の名シーンもしっかりドット絵で再現。
先ほどのファミコンの「大魔王復活」のグラフィックと比較してもゲーム機の進化がよく分かりますね。
マッスルタワーステージでは、あのスノもグラフィック付きで登場!
このドット見て「ああ、そういえばこんな可愛い幼女いたなぁ(*´∀`*)」と惚れ惚れしてしまった。
道中やイベントによって様々なアイテムがもらえます。
これによって、悟空の性能がパワーアップしたり、対戦モードで使用できるキャラが増えたりと幅広い効果があります。
そして、このアイテム一覧も原作の細かいネタまで拾っているものの数々ですね。画像内で例を挙げると、ジャッキーチュン(亀仙人)がつけたカツラ(画像左上)でジャッキーチュンが対戦モードで使用可能に!といった具合です。
その一方で、ゲームの仕様上の問題で原作と全く異なる展開になることもあるのですがそれもまた違和感のないものになっています。
前述のタンバリン戦もそうですが、上の画像が一番わかりやすい例ですね。
2回目の天下一武道会で悟空と餃子がまさかの対戦!
原作ではクリリンと対戦して敗退したので悟空と餃子が戦うことはありませんでした。
それに加えて、原作では一切存在しなかった「悟空と餃子が会話するシーン」も本作にはありました!
これ筆者の中で原作読んでて結構引っかかってた所で、後のナッパ戦で悟空が「これが餃子の分だ!」って言って攻撃してる時、「お前らほとんど面識無いじゃん・・・( ̄◇ ̄;)」って思ってたのでこういうIF展開は嬉しい以外の言葉がありません。
逆に、このIF展開によって存在感が薄くなってしまったのがヤムチャです。
彼は原作だと出会ってから数話後に仲間になりクリリンと並ぶ初期の悟空の戦友というポジションだったりしますが、本作ではボスキャラで登場して撃退した後一切再登場することはありません。ただの小物のザコで終わってしまいます。
ヤムチャが仲間にならずとも物語上おかしくならないように調整してるあたり、後の原作の不遇っぷりを再現しているような気分になりました(暴言
個人的にお気に入りのボスはこの2体。
前者はレッドリボン軍ブラック補佐が乗るバトルジャケット。後者はピラフ一味全員で共闘するピラフマシン。
大型ボスというだけあってダイナミックに動きます。
攻撃パターンも多彩でゴリ押しが通じにくいので特に苦戦したボスでした。
特に、ブラック補佐のバトルジャケットの画面外攻撃はまるで「スーパードンキーコング3」の「ねらわれたスクイッター」を遊んでいるような気分にw
原作では悟空が一方的に倒していたけど、本作ではボスキャラらしくしっかりアレンジされて強敵になっております。
本作をプレイしていて一番衝撃だったのはここでした。
前述通りタイマンバトル自体はあんまし面白くはないんですが、なんとこの2回の戦いにおいて流れるBGMはアニメで実際に使われた「めざせ天下一」という曲(※厳密に言うなら、本作用にアレンジしたBGM)です。
ロマンを掴み取れッ!天下一ィィィィィ!
天下一武道会の盛り上がるシーンで流れた名曲で、アニメ版を見てた人が本作をプレイすればテンション上がること間違いなし!こんな細かいネタまで仕込んでるとはたまげた!
大体語りたかったのはこんな所でした。
久々の元祖のゲーム作品にして、原作の細かいネタの網羅やこれはこれで素晴らしいと思えるIF展開の数々と制作スタッフの原作愛に包まれた素晴らしい名作キャラゲーでございました!
あの幼い頃の自由な悟空を自分の手で操作したいあなたにはまさにおすすめの一作!
惜しむはこの〆で続編がなかったことだよね( ;∀;)
最後は、神々しい神龍で!