第848話で現在のトレンド「レトロフリーク」についてのご紹介をしました。
今回から、レトロフリークでプレイしてクリアしたゲームのクリア報告&雑感を書いていきます。
第1回はこちら!
第848話の記事内でも紹介しました、コナミ発売ゲームボーイ専用ソフト「遊戯王 デュエルモンスターズ」です!
1998年12月16日に発売した本作は、数多く制作された遊戯王のゲームシリーズの第2作目(※第1作目はPSの「遊☆戯☆王 モンスターカプセル ブリード&バトル」)に当たります。
また、本作から8作にかけて展開されるGB遊戯王シリーズの第1作にも当たり、以降の作品との区別をつけやすくするために本作は「DM1」を呼称されるようになります。
筆者とこのゲームの出会いは、ズバリリアルタイム。ちょうど遊戯王バブルの時代でもあった頃でした。
というのも、本作が発売した当時である1998年~2000年あたりは、バンダイからコナミに遊戯王のおもちゃの権利が移行していた時期でもあり、現在に至るOCGに繋がる橋渡しのような時期でもあったのです。
今思い返すと、この時期があったからこそ今の遊戯王は存在しているといっても過言ではないかもしれません。
まず98年4月、知る人ぞ知るアニメとしてよく話題に挙がる「遊☆戯☆王」(通称東映版)が放映されていた時期でした。
実は、後の遊戯王のアニメ作品第2作にあたる作品のタイトルにも冠されている「デュエルモンスターズ」という単語は、こちらの東映版が初出の単語だったりします。
また、バンダイでは東映版の放送終了後に「遊戯王カードダス」というタイトルでカードをガチャで販売していたりしました。
画像は一例。
現在のOCGにもカード化されていないモンスターがいたりと、今となっては貴重な資料価値の高いモノになっていますね。
ちなみに我が家にはこのカードダスを全カードフルコンプしているものが残っていたりします。兄と一緒にお小遣いあるだけ使ってこのカードダスにつぎ込んでいたのが懐かしい。劇場版の限定カードも当然網羅しております。
そして99年の春には二つの大きな出来事が起こります。
ひとつは、東映アニメフェアの一環として遊戯王の劇場版が公開されました。
同時上映はデジモンとアラレちゃんでしたが、一番の顔として本作を宣伝に使っていました。それくらい大人気な作品だったわけですね。
当時遊戯王大好きだった俺は母親に連れられ兄とともに見に行きました。
パンフレットは今でも俺の部屋に残っていたりします。
そして、二つ目の大きな出来事は、現在もその歴史が続く「遊戯王 オフィシャルカードゲーム」(以下OCG)がコナミから販売されたことです。
この画像の「スターターボックス」は、実は前述の劇場版遊戯王公開時の物販コーナーで限定版が販売されていて、そちらにだけ付属していた限定カードの5枚は今でもレアリティが高いカード郡だったりしますね。
一方、前述の「遊戯王カードダス」はこの前後の時期に第3弾の販売をもって販売終了。
ここから、バンダイからコナミへの遊戯王の商品権利は移行されたのでした。
ちなみに、その翌年の2000年4月にはアニメ第2作「遊戯王 デュエルモンスターズ」が放送開始されます。
さて、話は大きくズレてしまいましたが、このOCG販売開始を前に発売されたのが本作DM1でした。
開発もOCGと同じコナミであり、いわば数ヵ月後に展開されるTCGデュエルモンスターズのお試し版として世に放たれたということだったわけですね。
大前提としまして、本作は今となっては当たり前となっている生贄召喚(現在はアドバンス召喚でしたっけ)はもちろん、融合のカードを使った融合召喚や儀式魔法を使った儀式召喚、更には後のGB遊戯王シリーズでは定番となるデッキ強化を束縛するデッキキャパシティとデュエリストレベルの概念は一切存在しません。
ひたすら強いモンスターと魔法カードを入れていけばいいだけという実に極端なバランスです。
分かりやすいといえば聞こえはいいですが、カードゲームにおいてもっとも重要であろう戦略性の概念がないというのはどうもなぁ。
本作は、この画像で全てを説明できると言っても過言ではありません。
というのも、攻撃力が全てのゲーム、なのです。
相手のデッキの一番攻撃力の高いモンスター以上の攻撃力のモンスターを場に出てしまえばそれで勝利確定。
CPUはサンダーボルトのような魔法カードは一切使いません。この状態になったら後は守備表示にしてくるだけ。
CPUは後の作品と違って完全にプレイヤー側の手札を読んでしまっているのか、行動もワンパターンですごくつまらない。
例えば、こちらのモンスターが守備表示にしていても、向こうにその守備力分の攻撃力を超えるモンスターがいなければ絶対に攻撃してきません。向こうも守備表示にして終わり。
逆に、向こうにこちらの攻撃力を超えるモンスターがいる場合は、守備力がどれだけ高いモンスターでも攻撃表示にして攻撃してくる、という間抜けな一面も。
それが結果として突破口になることもしばしばという、このゲームならではの攻略法もあったりします。
具体的に説明すると、こちらが攻撃力1000のモンスターがいるとして、相手が攻撃1100守備力2000のモンスターを守備表示にしているとしましょう。
相手のモンスターの守備力は2000で当然こちらは突破できないわけですが、次のターン相手はそのモンスターを攻撃表示にしてわざわざこちらのモンスターを倒しに来てくれます。
つまり、守備表示のままにしていればこちらは2100以上のモンスターを出さなければ突破出来ませんが、相手の攻撃力より低いモンスターをわざと攻撃表示にしておき、向こうの守備モンスターを攻撃表示にさせることで1200以上のモンスターで突破出来るようになるわけです。
この煽りをよく受けるのはアクアマドールやイリュージョニスト・ノーフェイス。下級モンスターではかなりの守備力の高さですが、この戦法で攻撃表示にさせることで容易く倒せるわけです。
他にも特筆すべき特徴として、
・1ターンにつき1枚しかカードが使えない(これにより、ブラックホールを使えば場を一掃してターンエンドとなるので、返しの相手のターンで絶対ダイレクトアタックを受けてしまう)
・正確には1ターンにつき1枚絶対にカードを使わないといけないので、そのターン中に何もしないという選択肢は存在しない。
・モンスターは5体までしか出せないのはOCGと同じだが、5体以上いて手札にモンスターしかいない場合は、いずれかのモンスターを破壊して場に出さなければならない
・必ず場にいるモンスターは攻撃するか守備表示にするかを選択しなければならない。何もしないという選択肢は取れない。
という独自ルールがあります。
前述通りCPUは魔法カードを使わないので、毎ターン絶対にモンスターを召喚してきます。
どれだけ強力なモンスターがいても、5体モンスターがいれば最初に出したモンスターから順番に破壊して新しいモンスターを召喚してくるので、これを利用して相手が自分の強力なモンスターを勝手に除去→反撃という奇想天外な戦法も可能。戦略がない、とはいいつつもこれは本作における独自の戦略ではありますねw
また、必ず攻撃か守備かを選ばないといけないので、守備表示にしたくない場合はわざと壁モンスターに攻撃して攻撃表示のままにさせるということもしなければならない。
こちらの場に攻撃力はそれなりに高いけど守備力は極端に低いモンスターがいて、相手の場にいる壁モンスターの守備力はこちらのモンスターの攻撃力より高いという場面で、こちらのモンスターを守備表示にすると返しのターンで相手の下級モンスターに倒されて逆転される可能性もあるので、わざと壁モンを攻撃して攻撃表示のままにすることも戦法の1つなのです。
具体例としては、攻撃力1500守備力0の鎧武者ゾンビなんかがいい例ですかね。
攻撃力は(このゲームにしては)それなりに高いですが、守備表示にしてしまえば相手のどれだけ弱いモンスターであろうが倒されてしまいます。貴重な戦力が減ってしまうわけです。でも相手は守備力1600以上モンスターを守備表示にしている場合、そのモンスターにわざと攻撃することで攻撃表示のままにしておかなければならない(相手の守備力よりこちらの攻撃力が低くてもライフが減るだけでモンスターが破壊されるわけではない)。こういう局面も出てきます。
このようにデュエル方面に関しては、良く言えば本作独自の特徴が出ている、悪く言えば戦略もへったくれもない攻撃力一強のクソゲーです。
さて、本作のカード入手は相手を倒すごとに1枚もらえるというものです。カードパックなんてものはありません(これはDM4まで続きます)。
最初のうちは弱い相手としか戦えず当然弱いカードしか手に入らないのですが、進めば進むほどもらえるカードの強さも上がっていき、少しずつデッキが強化できます。
本作の特徴として、一定回数勝利を収めることで特定のレアカードをもらえるという特典があったりします。遊戯に100勝すれば暗黒騎士ガイア、海馬に100勝すればブルーアイズが有名でしょうか。恐ろしく苦行ですが手に入れてしまえば裏ボスの闇遊戯ともまともに渡り合えるようになりますね。
ですが、もっと簡単に強力なモンスターを手に入れる方法が存在します。隠しコマンドによるパスワード入力ですね。
タイトル画面で一定コマンドを入力することで解禁されるパスワードモード。
従来のOCGのカード左下に記載されているものを入力するのではなく(そもそも発売当時はOCGが発売していなかったので)、本作に関連しているスタッフの名前を入力することでカードを手に入れます。
成功すればこの画面。パスワードは全部で9種類ありまして…
中でも、「鳥嶋和彦」と入力することで得られるこちらの「ホーリーナイトドラゴン」は、入手さえしてしまえば本編クリアまでの一線級のエースとして使えます。引けばこちらの勝利は確定、というくらい攻撃力2500は本作ではほぼ上位のステータスなわけですね。
ちなみにこちらのカード、OCGでは再録されるまではかなりのレアリティの高さでもありましたね。
他にもパスワードで得られるカードは中盤まで活躍出来る強力なものばかりなので、早々と使って手に入れちゃってもいいと思いますが、そうするとかなりのヌルゲーになるので接戦を楽しみたいなら使用は非推奨ですね。
以上の説明を読んで、「今の遊戯王から考えられない!」と思ったあなた、至って正常な反応です。
後に出るOCGの体験版的側面が強いだけに初期のOCGらしくゲームバランスも戦略も全くもない、ただの攻撃力一強ゲー。ゲームとしての面白さはほとんどありません。
ファンアイテムとして今買うのもキツいものもあるでしょう。なんといっても、セーブデータ消すのが不可能ですし(第848話でも書いていますが、本作をプレイしたのはレトロフリークだとセーブデータを実質消すことが可能だからというのが大きな理由だったりします。)。
とは言っても、だ。
個人的には終始楽しく遊べてはいましたね。
理由としては、発売当時買った思い出に浸れたこと。
カセットだとセーブデータを消すことが出来ないので最初からやり直すことは中古で買っても不可能とされたこのゲームをもう一度最初からプレイできたことそのものに意味がありました。
また、本作に限らずGB遊戯王シリーズは常に独自の仕様があってそれが特徴を出しているのも面白い。
攻撃力一強ゲーとは言いつつも、最高の攻撃力のモンスターを引き当てるまでの過程で起こる前述の奇想天外な戦法の数々で相手を翻弄していく様なんかは、楽しめないこともなかったです。
他にも評価出来る点としてまして、モンスターのイラストが独自のものを使用されていることでしょうか。
比較用に同じモンスターOCGのイラストを。
このように大きく異なるモンスターも多く、その違いを見つけるのも割と面白かったです。
画像は俺のOCGで一番好きだったりするモンスターの「ドリアード」。本作のイラストだとOCGと違って幼さがどこか残っている感じが好みですね(*´∀`*)
何が言いたいかというと、このように表面上はクソゲーで世間ではそう評価されているゲームなのだとしても、自分なりの楽しさを見つけてしまえば良作にでも名作にでもなり得るわけです。
そういう意味で俺は本作を最後まで楽しく遊ぶことができたし満足出来ました。レトロフリークに吸い出したからこそこのような評価ができるのかもしれませんね。
ということで評価としては、「クソゲーだけど俺の中では良作」としようかな!
本作の本編上のラスボスのペガサス。王国編が舞台だし原作通りの配置ですね。
個人的にはこいつの前のシモン・ムーランの方が強敵でした。
厄介なのが守備力2200のイリュージョニストノーフェイスくらいで、あとは特筆して強力なモンスターがいませんでしたからねw
ラスボスと5回戦う、というのも変わってる所といえばそうなのかもしれない。
ゲーム開始から無敗でここまで来たんで、70連勝してそのままEDと相成りましたとさw
折角1作目からクリアしたので、これから順当にDM2~DM8まで攻略していこうかなぁと考えています。
全作品吸出してるしね!
この記事でも遊戯王の攻略をシリーズにして、GB遊戯王の歴史を俺なりにまとめてみたいなぁって思いますしね~。
以上、クリア報告&雑感でございました(*´∀`*)
次回もお楽しみに!