急遽実況復活やつまらない私事で間を挟みましたが、前々回の予告通り今回も映画感想でございます。


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今回はこちら、「遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」です。
2016年4月23日(おしくも筆者の誕生日1日前の上映で、誕生日に見に行きました)に公開しました。
シリーズとしては6年ぶりの映画作品にして、原作漫画の作者高橋和希総指揮による「原作の後日談」を描いた作品になります。 

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俺が知る限りでは、 この手の手法(劇場作品に原作者総監修で携わる)は「ONE PIECE FILM STRONG WORLD」の大ヒットを筆頭に流行したものだという解釈があったりします。
他に思いつく限りでも、BLEACH・NARUTO・FAIRY TAIL・ ドラゴンボール…と少年漫画作品(FAIRY TAILを除けば全部ジャンプですね)の映画作品では一種の手法として現在では確立されています。
概ね原作のテイストを映像化しているから当たり多し!…というのが俺の見立てだったりするのですが、一方で「BLEACH 地獄篇」のように原作者が提案したことが尽く没になったことでチグハグになってしまったり「ドラゴンボール 復活のF」のように作者のやりたいことと本来の作品の魅力が食い違ってあまり面白くないと感じる例もあったりと必ずしも面白い作品だというわけではなかったりします。

そんな前提を置きつつ本作。
今もなお大人気カードゲーム・アニメシリーズとしての展開を続ける遊戯王ですが、 生みの親と言える高橋和希先生は現在においても制作に協力しているみたいですね。
例えば、ぶっ飛びすぎるアイデアと言われるシリーズ3作目「遊戯王 5D's」のライディングデュエル。

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こちらの原案は高橋和希先生のものでした。
そのような良好な関係性で展開しているシリーズなだけなこともあってか、アニメになって帰ってきた原作「遊戯王」(※本作は展開を見ればよく分かりますが、原作が原案と言えるアニメシリーズ第1作「遊戯王 デュエルモンスターズ」の続編ではなく、原作漫画の続編という立ち位置だったりします。)も、現代らしく順当に進化しつつも原作のテイストをしっかり残した、原作者監修の名に相応の面白さを見せてくれました!

・順当なる進化

原作のアニメ版に当たるデュエルモンスターズが放送していたのは2000年から約4年間。
その後もGXや「超融合!時空を超えた絆」始め映画などに遊戯が出演した例はあるものの、実に12年ぶりに動く遊戯たちが帰ってきました。
最新鋭の技術や映画という大作なこともあって、圧倒的な進化が見られました。

特筆すべきは、デュエル中の演出。
最新作「遊戯王 ARC-V」のような美麗なモンスターのCGに召喚口上、ハイテンポなバトルスピード魅せる作品でもありました。
それでいて劇伴はデュエルモンスターズのものをアレンジしたもので懐かしさもどこか感じさせます。
登場モンスターも新キャラの藍神の使用するモンスターを除けば、ほとんどが過去の遊戯や海馬が使用していたモンスターがリファインされたもので、ここもまた新しいけど懐かしさを感じることができます。
遊戯側は人気のブラックマジシャンガールの下位互換モンスターシリーズが注目でしょうが、個人的には無限ループを完成させていた「暗黒騎士ガイアロード」がお気に入りです。
海馬側は元々バリエーションのとても多かった相棒ブルーアイズの派生種が大量に登場。
個人的には本シリーズ初の劇場映画「遊戯王(東映版)」に登場する「ブルーアイズ三体連結」の効果を彷彿とさせられる「真青眼の究極竜」がお気に入り。

ただし、デュエルに関してはデュエルモンスターズをはじめとしたTVアニメシリーズとは異なり、ライフポイントはOCGと同じ8000ポイントルールでした。
遊戯王の映像作品では史上初のOCGルールになるのでしょうか?
おそらくは火力インフレによる調整なのかなーと予想します(攻撃力4000超えのモンスターがザラでしたし)。

また、本作の新要素として、藍神の世界におけるデュエルルール「次元領域デュエル」が展開されます。
細かいところでルールの違いはあったりして最初は戸惑ったりしますが、要するに想いの力でいくらでも逆転できるというアニメらしいデュエルルールであります。
ルールを冷静に見るに、映画という限られた尺でたくさんのデュエルをするための一種の手法のようにも感じましたね。
その証拠に、この次元領域デュエルでのデュエルは2~3ターンで決着がついていましたねー。

このように圧倒的な進化を遂げた原作及びデュエルモンスターズの最新映画という位置づけではありますが、一方で欠点も。
それは、効果モンスターの効果説明がすげぇ分かりにくいこと。
デュエルモンスターズ放映時と比べ複雑化の一途を辿る遊戯王ですが、ただでさえ尺が短くテンポよく進むデュエルなためか、モンスターの効果説明がすごくシンプルにまとめていて分かりづらいです。
そのため、「何で今こういう状況になってるんだ?」と疑問符のつくシーンもチラホラと。
これでもOCGでの効果を省略したり簡略したりといったこともしているようだったのですが、難解で下手すればついていけなくなる可能性も。
次元領域デュエルも若干ご都合な展開も多く、想いの力で攻撃力が変化する~というルールも生かしきれていなかったのは残念。
…まぁ、それを気にしないような映像美や演出があるので些細な点といえばそれまでだったりしますね。

・原作のテイストをしっかり残す

原作の完結編後の物語という位置づけに相応しい物語構成でした。
なんといっても注目は、「闇遊戯(アテム)がいない」という部分でしょう。
遊戯王という作品の顔とも言えるアテムの不在が今回重要なキーワードとなっていて、物語として意味のあるものになっていたのもgood。
それに伴い、原作ではあまり出番が多いとは言えなかった遊戯が主人公となっています。
遊戯王を中途半端に知ってる人からすれば、この位置づけにはかなり違和感があるのではないだろうか。
というのも、本作の顔はアテムであり、遊戯はアテムを引き立て役に過ぎないと考えている方が多いと俺は考えるからです。
言葉は悪いですが、遊戯=ひ弱でアテムの影に隠れていると考えてる人は結構多そう。
だからこそ原作ラストの戦い「戦いの義」で遊戯がアテムを超えるという結末は非常に感動的で集大成に相応しいオチだったわけですが。
そんなラストの成長を超えた先の遊戯が、この映画にはあります。
あの優しい性格はそのままに、まるでアテムの生き写しのようにかっこいい一面も見え隠れしておりました。この成長にはまるで子供が巣立ってしまったような親のような感覚になりましたね(´;ω;`)
海馬は、津田健次郎氏の熱演もありTV版のノリと原作の位置づけを融合したようなハイブリッドキャラでございました。
本作で海馬はアテムに異常に執着してるわけですがそれもその筈、ファラオの記憶編以降に原作では海馬の出番って皆無だったんですよね。まさかその位置づけをこのような形で消化するとは予想外。
なお、デュエルモンスターズでは異なり、ファラオの記憶編以降もガッツリ本筋に絡んできたりします。
この点こそ本作がデュエルモンスターズの地続きではないとハッキリ言える根拠だったり。

新キャラの藍神に関しては、なんと原作でも謎多きキャラだったシャーディに繋がるキャラでありました。
シャーディが何者なのかというのは原作でも回収されなかった伏線の1つです(匂わせるセリフや描写こそあるものの)。
その答えが本作では明示されていました。
それに伴って、獏良がなぜゾークに支配されたのかという極めて重要なエピソードも本作にて解禁。
なにげに、原作で未回収だった伏線も回収するという後日談らしい作品になってる一面もあったわけですね。
ちなみに、最初は「現代に生まれ変わったアテムなんじゃね」なんて予想していた藍神ですがそこは全く違いましたw

そして物語のラストには、あのキャラが帰ってきて…!
このシーンには驚き半分感動半分というサプライズ的な展開でございました。
泣いたの俺だけ?。゚(゚´Д`゚)゚。


書きたいところはこんな所でしょうか。
遊戯王帰ってきた!!!!!しかも順当に進化して!!!!
一言で表すならばそんな映画でございます。
今の遊戯王知らなくても全く問題ないですし、原作好きもデュエルモンスターズしか知らない方でも、問題なく楽しむことの出来る作品です結末を知っているとなお良いかもしれない)。
円盤買ってもいいかも知れないレベルで大満足でございました(*´∀`*)


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