(現在公開中の映画につき、ネタバレ要注意でお願いします。)
デジモンアドベンチャー復活ッッッ!!!!
前回や第745話で触れましたが、物販は半日せずに全品完売・チケットは開始4時間前に最終回の残り席数が1桁切るという競争率の高さにまずは驚かされました。
戦利品は入場者特典のみ。
買えればパンフあればいいかな~くらいだったのでそこまでダメージは高くないが。
子供たちの数だけ種類あるのかな?ということは8種類か。
空は好きなキャラなので満足した。
それでは感想に入りましょうか。
本作は、「デジモンアドベンチャー」の最終回から6年後、つまり「デジモンアドベンチャー02」の最終回エピローグ手前から3年後に相当する時系列の作品です。
主人公の太一らが高校生になったことで、かつて小学生だった彼らも思春期真っ只中の時期まで年齢が引き上げられました。
まず、「6(3)年後」である背景描写がしっかりされていることを大きく評価したいですね。
例えば、太一達が使ってる携帯がいはいるガラケーだったり、2005年頃のお台場を再現した背景になっていました。
デジモンの続編だしスマホなんか出てくるのかなぁなんて思ったんですが、よく考えればスマホなんてこの時代はまだ存在しない。
そういった現実の描写が徹底して2005年そのものとなっていました。
なので、懐かしいデジモンが帰ってきた!という気持ちと同時に2005年の日本ってこんな感じだったよねぇって意味で「懐かしい」気持ちにさせられます。
次に評価したいのは、OPや挿入歌やEDが当時のものを使用していること。
OPは勿論デジモンアドベンチャーを代表する名曲「Butter-fly」で、進化時に流れるのもいつもの「Brave Heart」、EDも中の人は出演していない(※「I wish」を歌うAimこと前田愛は、TV版では立川ミミの中の人でした。事実、劇中でミミが「I wish」を歌唱するシーンもあったりします。)にも関わらず「I wish」!
ただし、TV版ものではなくて本作のためにアレンジ・再録された「tri.Verson」となっています。
曲自体は「懐かしい」のに、アレンジされたことによって「新しい」。
アレンジは結構クセの強いものになってるんで好みは分かれるかもしれません。
個人的にはButter-flyは大分微妙に感じました( ̄◇ ̄;)
この好みで「何かが違う」と感じるかも。
でも感覚としてはTV版と全く同じなので、その点での違和感は一切ありませんでした。
Brave Heartのギターのイントロからの進化!の演出もまんま同じですよ!
ストーリーに関しては、全6部作の1章ということで現時点ではなんとも言えません。
何故こうなってしまって、子供たちがどうして戦うことになってしまったのか。それは作中の登場人物誰1人が分かっていません。
謎の敵がデジタルワールドから来襲し現実世界を襲う!
って展開だけ書くなら「ぼくらのウォーゲーム」のようにも思えるんですが、原因すらハッキリ分かってませんからね。先行きが見えないって点で言うならTV版の序盤に通ずるものがあるかも。
ただ、「ぼくらのウォーゲーム」の頃とは異なり、どうやら2005年の世界はゲンナイの情報提供によってデジタルワールドの情報は国のお偉いさんには把握されているようだ。
今までもデジタルワールドと現実世界のリンクということは度々あったようで、その度に政府のお偉いさんがもみ消していたみたいだが、本作のクワガーモンの襲撃以降はそれも限界が来てしまって・・・ってことみたいだね。
そして、事件の発端となったのがクワガーモンっていうのも因縁めいていて良かったね。
クワガーモンはTV版第1話で始めて戦ったデジモンだからね!
俺はそこで「懐かしい」なぁなんてね。
本作は基本的にはデジモン同士の戦いは少なめで、現在の太一達の環境の変化と心情の変化の掘り下げの方がメインとなっていました。序章だからこんなものかなぁという感じかな。
空が太一かヤマトどっちが好きなのかで悩んでいるのとかがいい例だよね。
これに関しては02のラストで結末を知ってるから色々複雑な気持ちがあるんだけどさ。
光子郎がミミを好きになったっていうのはおそらく本作初出だよね。これは賛否両論になりそうな気がしなくもない?
丈に至っては彼女もち。
高校生にもなれば色恋沙汰もついてくるってわけなのかねぇ。とは言っても02のラストで結末を知ってるから色々複雑な気持ちがあるんだけどさ(2回目
年数を経っていることもあってか、登場人部たちの思考もTV版とは異なったものになっていたよね。
太一が以前のようにデジモンで戦わせて敵を倒せばいい!と単純に考えたらいけないんじゃ、という気持ちになっていたことが顕著。
デジモン達が暴れたことで東京の町は破壊されてしまうわけですが、それによって世論が化物=デジモンが完全なる悪だと叩くシーンがあります。ザンボット3のような辛い展開だね。
それを見た上で太一はデジモンが現実世界で戦うことのことの大きさを実感するわけですが、そこは続編で主人公たちの心境も変わったなぁって感じられて「新しい」。
が、あくまで自分たちは正義であるという考えを貫くヤマトと変わってしまった太一の対照的なぶつかり合いはTV版で度々衝突していたことを思い出して「懐かしい」。
太一は劇中、「戦いによって人を殺してしまうかもしれない恐怖」についても指摘していました。
この点は、02においてこれでもかと徹底していたデジモンの殺生についての問題の発展型のようにも思えたね。
02ではデジモン同士の戦いにおいて例え敵だとしてもデジモンを殺すことはほとんどありませんでした。
死亡したデジモンが出れば、それだけで登場人物たちが驚き悲しむ描写があったほどです。
02の子供たちは小学生。人間ではないとはえ生き物が死んでショックを受けるのは当然でしょう。
ですが、成長した今の子供たちには、命の大きさも以前よりははるかに分かっている。
だからこそ太一は迷い、正しいのかと悩んでいた。成長の象徴が確かに描かれているんですよね。
まぁ、太一の答えが最後までハッキリとしたわけじゃなかったのでその部分でもやっとしたのは事実ですが、これも章を重ねるごとに見えてくるものがあるのでしょう。
で、数少ないバトルシーンに関しては、はっきり言ってしまうとTVシリーズの歴代デジモンで見ても明らかに作風の変化があり、これは人を選ぶ要素です。
最も大きな変更点としては「デジモンたちが必殺技名を叫ばなくなってしまった」こと。
「新しい」要素で最初は意図的に新しくしたのかなって考えていたんですが、徹底してそうなっているのかと言うと全くそんなことはなくて。
終盤において、トゲモンがチクチクボンバーと叫んでるですよ。
いやいや、だったら皆必殺技叫ぼうぜ。
すげーチグハグな演出で違和感しかなかったし、「何かが違う」だろ。
「メガフレイム」や「フォックスファイヤー」って叫ぶグレイモンやガルルモンが見たかったぞ!
しかも叫ばないけど技は使ってるのに無音だから、物足りなさだけがあったんだよなぁ。
例えば、エンジェモンの必殺技「ヘブンズナックル」は叫びながらぶん殴るからかっこよさがあったじゃん?
その叫びがないから、すごく弱々しいパンチに見えたんだよねぇ( ̄◇ ̄;)
あとね、トゲモンはほぼ活躍なし・ゴマモンに至っては進化どころか戦闘も一切なかったのもなぁ。
ただし、後述する2章でこの2体は活躍があると予想されるんだけどね。
そして残念だったのは、オメガモン出すがためにグレイモンとガルルモンの進化系列を雑に出してしまったこと。
メタルグレイモン→ウォーグレイモン及びワーガルルモン→メタルガルルモンはついでに出したような扱いでハッキリ言ってクソです。
いきなりオメガモン出すのはアカンと思ったのはわかるけど出し方が下手すぎんだろ!!!!!
進化する演出すらカットして数秒出して終わりって舐めてんのかよ!?「何かが違う」でしょこれ。
そしてウォーグレイモンやメタルガルルモンがいとも簡単に出たってことは、何故他の子供たちは完全体に進化させなかったの?っていう疑問が湧いてる。
それについての言及が一切なかったし。
進化も戦闘もしなかったゴマモンよりはマシだろうけど、テイルモンなんて元が成熟期なこともあってか進化なんて一切しなかったからな!
そして、TV版だと完全体も余裕に倒していたエンジェモンは普通に進化しただけに余計にチグハグすぎたわ。
残念な部分も目立ってはいたけどデジモンのバトル描写自体は時間が経ったこともあってパワーアップはしてた。映画だから迫力もあるし。
なんだけど個人的には、当時6歳の頃に映画館に見に行った「東映アニメフェア」の「デジモンアドベンチャー」を思い出したんだよなぁ。
(※当時のパンフレット。後のDMの原型である「遊戯王」、当時TVアニメがやっていました「ドクタースランプ」、そしてTV版の第0話にあたる「デジモンアドベンチャー」の3本立てでした。)
こちらではグレイモンとパロットモンがお台場を舞台に大激闘を繰り広げる映画。
規模なんかは確かに本作の方が圧倒的にでかいですが、俺は当時の気持ちを思い出せたような気になって「懐かしい」という気持ちになりました。
本作ではお台場や羽田空港で大乱闘します。
クワガーモン3体と成熟期デジモン6体による羽田空港での大乱闘もいいのですが、個人的にはラストのお台場のアルファモンVSオメガモン戦が好きです。
というか俺が本作を見に行こうと思ったきっかけが、「Go!プリンセスプリキュア」の映画で見た本作のCMのアルファモンVSオメガモンのシーンに衝撃を受けたからでしたしね。
アルファモン、本作で始めて登場したデジモンではないみたいだね。
つーか画像調べて知ったけどこいつロイヤルナイツなんかいΣ(|||▽||| )
俺の勝手な印象だとオメガモンと対になった存在・・・例えるならウォーグレイモンとブラックウォーグレイモンみたいな印象を受けたが、こいつが現実世界に現れて何がしたかったのかはさっぱり分からんね。
本作初登場のデジモンのメイクーモンを狙っていたが、果たしてこいつに何があるというのか。謎だらけだ。
こういった謎だらけな要素なのは、これからあと5作続いてくからなんだろう。
公開前に盛大にバッシングされていたキャスティングの変更については、個人的にはいいとも悪いとも言えない。注目の「新しい」要素ではあるけどね。
これから続けていくうちに慣れては行くのだろうが、TV版より年齢も精神面も大きく変わったはずなのに声だけは若返っているっていう逆転現象がすごく違和感あったんだよな。ちなみに02では3年経過したけど声はタケルを除き変わってません。
当時から見てもベテランの声優を起用してたし年数も経ってるから、変更自体はおかしいことではないんだが、キャラの親和性は本作の時点ではさっぱり見えてこなくて別の人がアフレコしてんなって感想で終わってしまったね。
個人的な感想を書くなら。
ヤマトに関しては全く違和感がなかった。光子郎や丈もまだいい。
タケルもそもそも02の時点で変わってたし問題なし。
太一は元の声優が女性だったのに男性に変わってしまった上に声質がちょっと弱々しい感じなのと、前述の悩む描写が増えたことですごく女々しいキャラに見えてしまった。
ヒカリは声優慣れしてないのかと思ったらまさかのゴーカイイエローだった。
空は空というより三森ずずこ、ミミなんて吉田仁美でしかなかった。
……というのが感想で、空とミミが一番聞いてて「ん?」って感じで「何かが違う」。
慣れるしかないから中の人は頑張ってほしい。
そしてデジモンの声はそのまんまっていうな。
この点は子供たちの事を考えるならチグハグだけど、彼らはデータだから進化以外で成長することのない不変なものだから問題ないのかも?
で、これが一番許せない要素だったんだけど。
本作は完全にデジモンアドベンチャーの地続きって感じで、02についての言及が一切存在していなかったこと。
02の選ばれし子供たちが出てこない、はまだいい。
まさか存在(その後どうなったのかなどなど)すら匂わせていなくてデジモンアドベンチャーからの地続きで02がなかったことにされてるんじゃ?という劇場版Zガンダムのラストのような気持ちにさせられるんだよなぁ。
まだまだ続いていくだろうから絶対出てこないと断言できないわけじゃあないけど、02のキャラまで出したら収集付かなくなりそうだしあえて省いているのかもしれないな。
政府のお偉いさんたちは何故初代選ばれし子供たちだけを呼び出したんだろう。
02の頃の大輔達を呼ばなかったことの理由とかが気になってしょうがない。
誤解を受けそうだけど、かと言って02の要素が全く存在しないわけじゃあないんだよね。
それは、タケルとヒカリのデジヴァイスがちゃんとD-3(※02の時に進化したデジヴァイス)になっていたこと。
ということは、02が完全になかったことにはされてないんだよね。でも大輔達についての話題は一切出ない。
02からの地続きにすれば、本編中で決着つけずに封印しただけで終わったデーモンとかが出てきて決着!とか話を広げられそうなのにそれもしないのが勿体なく感じる。
確定ではないけど、もし02がこれから完全になかったような扱いにするんだったら許せんね。
「人気のある初代だけピックアップしました!」っていう魂胆が見え見えだしな。
せめて本編中で一緒に戦ったりとかはしなくてもいいから、大輔達がどうなったのかとかくらい触れてほしい。れっきとした続編だし彼らの活躍があってこそ今があるんだからな。
(2015年12月2日15時28分追記)
・この記述に関してコメントを頂きましたので返信しました。
(追記終わり)
というのが俺の言いたいことなんですが、結論を書くならば。
「懐かしい」。だけど「新しい」。そして「何かが違う」。
そんな作品でした。
まだ6分の1だから完全に評価することは難しいかもしれませんが、チグハグでどうにももやっとしつつも良いところもちゃんとあるという感じ。続編として受け入れるには今の段階ではちょっと難しいかも。
なので、TV版の綺麗な思い出を残したい方は無理して見るような作品では決してありません。
ましてや、02の続編や02の要素を期待する方は絶対に見るべきではない。
ここらはこれから変わる可能性もありますけど、02の要素に関してはもう完全にオミットした上で行くのかなぁなんて予想してます。出してしまえばそれだけ話の収集がつかなくなりそうですし、公式もデジモンアドベンチャーが帰ってきた!ってことを全面に押し出してるので。
そんな中途半端なことするんだったらもう02をなかったことにしてデジモンアドベンチャーからの完全なる地続きでええじゃんって気持ちですけどね。
俺はがっかりした成分のほうが多いといえば否定はしませんが、光るところがあったのも事実。
特に、デジモン同士のバトルをもっとかっこよく派手にこれからやっていくと考えて、続きは見ていこうかな。
ただし、オススメは決してしません。少なくとも本作単体だけで見るならば、ね。
そして次章の話。
来年3月公開とのとこで。
半年ペースで公開していくならば、完結まで単純計算で3年かかるってことだよなこれ。
最後に公開されたビジュアルには、ミミと丈、そしてロゼモンとヴァイクモンらしきデジモンが描かれていました。
個人的にこれは「待ってました!!!!!!」って気持ちになったよね。
TV版の時、俺の中で不満に思ってた要素があったんですよ。
「なんでアグモンとガブモンだけ特別な扱いなんだろう」って。
このビジュアルが意味することは、これからアグモンやガブモン以外の6体のデジモンも究極体化する可能性が出てきたってことだよね。
いいぞいいぞ!!!!!そういうのが見たかったんだ。続編だからこそ出来ることだもんねこれ。
以上です。
どうなっていくのかものすごく不安定な作品に感じましたが、これから5作も追いかけて行こうじゃないかよ!!!!