→前話(Episode1-1)

~2077年 4月7日(水曜日) 16時 ぴかりヶ丘商店街 おおもりご飯~

Hdd2017-08-03-23h04m17s109

(再開だ)

「維よ、その前に1ついいことを教えてやろう」


(なんだ?)

「このゲームは十字キーで移動なのは分かっているだろうが、Aボタンを押すとジャンプだ。
梯子の前で十字キーの上を押すと梯子に跨り、上下を押すことで上り下りができる。」


(よく知ってるな)

「私の『能力』でこの『ドンキーコング』の情報をある程度読み取った。
お前は昨日のプレイで梯子に登る方法が分からず最下段で蹂躙されていたからな。
お前がプレイした段階では操作方法くらいしか分からぬが、これで少しは先に進めるはずだ」


えーと…確かミクの能力って、

「どうやら私はお前の視界に見えているものの情報をある程度読み取れるようだな。
あそこで歩いてる女のパンツの色は白。あそこで走ってる男は今反対側にある公園に向かっている。
お前は今カバンの中に、レトロフリークと電気屋で買ったACアダプターとマイクロSDカードとHDMIケーブルと昨日祖父の蔵から盗んできたAV女優ヒカルの痴漢もののエロ本を入れていて・・・」

見えているものの情報をある程度読み取るっていうあれか!

(おい!なんでこの前ちゃんと教えてくれなかったんだよ!)


「たわけ!お前教える前にやめたんじゃないか!」

(くっそ~説明書ないとこんな基本操作も分からないとはな・・・)

「私が『能力』を使えば、説明書と攻略の鍵になる。
有効利用しろ。質問があれば答えられることならちゃんと答えよう」


頼もしい?仲間の「ミク」の情報も使い、攻略を開始するとしよう。

Hdd2017-08-03-23h10m48s168

ドンキーコング
1日ぶりだなぁ、ゴリラァ!

まだ何をするゲームなのかまだハッキリとは掴めていないんだがこのゲーム…

レディ
最上段で突っ立ってるこの女の子の方に、

マリオジャンプマン
俺が操作するおっさんこと「ドンキーコング」を連れて行くゲームなのかと推測する。

ドンキーコング
ゴリラは、「ドンキーコング」の行く手を邪魔をしていると。

茶色の物体を操作したり、炎を召喚したりまるで魔術士のような恐ろしいゴリラだな。

一方の俺の操作する「ドンキーコング」が出来ることは移動とAボタンのジャンプだけ。

まるで、人間が熊に素手で挑むようなものだ。

なんでこんな非力なおっさんが、こんな大魔術士ゴリラに挑みかかってやがるんだ?

…いや、理由なんて簡単だろう。

レディ
愛する女を取り戻したい!って所かな?

「ドンキーコング」よ、それならもうちょっと力をつけてから挑んでも良かったんじゃないのか?


熱く語っていてもしょうがない。

ゲームを進めよう。

Hdd2017-08-03-23h10m48s168
俺は「ドンキーコング」を操作し、まずは最下段一番右の梯子を目指す。

Hdd2017-08-29-00h02m44s55

で、ここで十字キーの上を…

Hdd2017-08-29-00h02m45s70

本当だ!登った!

「よくスタート開始してすぐの梯子はダミーだと気づいたな」

(真ん中が切れてるし、ジャンプで届くような距離じゃないだろうからな。)

Hdd2017-08-03-23h15m50s124

このまま二段目も突破…と思いきや!

Hdd2017-08-29-00h04m15s200

梯子ごしにもこの茶色の物体は落ちてくるのか!

「最初にゴリラが投げてるのを見たら分かるだろ」

(あの茶色の物体、動きがまるで読めねぇな。一体何なんだよ?)

「樽だな」

樽!?樽が画面端のドラム缶燃やしたり、梯子移動したりしてんのぉ!?)

「そのようだ。一番左上に樽が密集してるのが分からんか?」

(わ、わかんねぇ…土の塊か何かをスタンドのようにゴリラが操ってるのかと思った。樽転がしてるだけなのこれ!?)

樽を転がして「ドンキーコング」を蹂躙するゴリラとは、さすが魔術士かなり賢いんだな。

(あの樽、どうすれば回避出来るんだ?)


「上から来る樽に対しては避けるしか方法はないが、横に転がっている樽は『あること』をすれば回避できるだろうな」

(あることってなんだよ?)

「それくらい自分で考えろ。操作方法はさっき教えたばかりだ」

「ドンキーコング」に出来ることは移動・ジャンプ・梯子に登る…あ、そうか!)

Hdd2017-08-29-00h06m01s238

俺は初めて、横から転がる樽をタイミングよくAボタンを押し「ドンキーコング」をジャンプさせて樽の回避を成功させた。

(ジャンプはそのためにあるのか!成る程納得だ!!!)


これにて何をすべきなのかを把握した。

「ドンキーコング」を上の段に行ける梯子まで移動させて登り、最上段にいるゴリラが樽を転がして邪魔をしてくるのをくぐり抜けながら、最上段の女の子の所にまでエスコートしていく。

何をすればいいのか分かっちまえばこっちのもんだぜ!



樽の動きを読みつつ「ドンキーコング」を梯子まで誘導して…

Hdd2017-08-29-00h07m04s101

上に登り、また樽の動きを読みつつ上へ上へ…

Hdd2017-08-29-00h47m51s249

これを繰り返していく。

(そういえば、上から3段目と5段目の左端にある浮遊した物体は何なんだろう?)

ハンマー

プレイから10回目にして、ステージ内で浮遊している物体の存在に気づく。

Hdd2017-08-29-00h10m46s11

(ジャンプしたら届きそうな距離だが…)

俺は3段目まで何とか移動させて「ドンキーコング」をジャンプさせ、物体に触れさせた。

Hdd2017-08-29-00h09m42s145

すると、突然「ドンキーコング」は浮遊物を持ち出し、叩くように暴れだした。

(なんだこれなんだこれなんだこれ?「ドンキーコング」の攻撃手段なのか?)


Hdd2017-08-29-00h49m06s228
Hdd2017-08-29-00h49m31s227

ハイテンポなBGMと共に、「ドンキーコング」はこの暴走を止めない。

すると、「ドンキーコング」叩く場所と樽の位置が完全に一致した時、

Hdd2017-08-29-00h12m24s223

樽が謎の数字の表示とともに消滅。

(樽を殺した…?いや違う、破壊したのか!)

つまりこれは、「ドンキーコング」の武器ということなんだな!

Hdd2017-08-29-00h14m43s83

だが無敵ではないようで、振り上げる動作中や後ろ側から樽にぶつかると「ドンキーコング」は死亡した。

(ジャンプして回避しきれない時はこいつを使えってことか)

しかし、なんでこんな武器がわざわざステージ内に設置されているんだろう?

ゴリラが「ドンキーコング」に対してハンディキャップでも付けてやっているってところか?

ドンキーコング
舐めたことしやがって…と魔術士ゴリラへの対抗心が燃える。

さて、ゴリラの召喚する樽の動きはとにかくランダム性が強い。


Hdd2017-08-29-00h15m40s138

時折二つ連なった樽が襲いかかってくる時は、ジャンプだけではどうにもならない。

武器も置いてある場所が2箇所で使用回数が限られているから、武器頼みの動きもできない。

Hdd2017-08-29-00h19m27s104
Hdd2017-08-29-00h17m43s86

梯子に停滞してやり過ごすにしても、梯子から樽が落ちてきたり炎が襲ってくることもあるため確実性はない。

世はまさに、戦国樽時代。

大魔術士ゴリラによる樽の猛攻が止まらない。

せめてもの対抗手段としておいている武器も攻略の鍵…と思いきや、意外とそうでもない。

(なんて恐ろしいゴリラなんだ、こいつ…!)

コントローラを持つ手には汗が滲むほど、ゴリラとの死闘は白熱した。



プレイ開始から30分経過したが、まだ下から4段目以上先に進めてはいない。

樽の猛攻が、激しい。

問題はそこだけではなかった。

Hdd2017-08-29-00h29m23s174

このゲーム、右上の「BONUS」という場所の数字が時間経過とともに少しずつ減少するのだが、これが0になってしまうと自動的に死亡扱いとなってしまうのだ。

つまり、避けるのに必死で制限時間がなくなりゲームオーバーというパターンもあり、決められた時間内で一番上に連れて行かねばならない。

ところで、何故制限時間が0になった瞬間に樽に潰されたり炎に燃やされた時と同じ動作をするのだろう?

ドンキーコング
おそらくゴリラが「死ね、ドンキーコング!」と言わんばかりの即死魔術でもかけているのだろう。

まさに、このゲームの盤上はゴリラの掌で踊らされているようなもの。

上に行って先に進む以外に選択肢は存在しないのだ。

「維よ、どうする。これではいつまで経っても先には進めんぞ」

(そうだなミク…)

Hdd2017-08-08-05h23m24s99

俺は何十回目かのこのゲームオーバーの文字を見た後、一度コントローラを机に置く。

「一度休憩をとるか?」


(ずっと連続してプレイしていて疲れちまった)

「ふむ。プレイングを見る限りでは少しずつ確実に上達はしてると思うから後もう少し頑張ればクリアできる気がするぞ」


(気休めはよせミク。クリアできなきゃあ意味はないだろ)


「だがジャンプもわかっていなかった赤子同然のお前よりは進歩してるぞ?」

(お前が実際にコントローラ握ってプレイできりゃあいいのにな。俺とかわりばんこでやった方がクリアに近づくんじゃないか?)

「それも面白そうだが、それには私を成長させないとな。

「レトロフリークでゲームをクリアすればするほど、サイバーエルフは成長する。
成長したサイバーエルフはやがてワシ自身となり、新たな覚醒へと導かれるということじゃのう。」
ゲームをクリアできなければ成長することはないと説明していたし」

(ゲームを効率よくクリアしたくてそのためにミクを成長させるのが最善の攻略法なのに、ミクを成長させる方法がゲームをクリアしないといけないというこの矛盾…辛い…)

「私から言えることはとにかく素早く動くなんてどうだ?」

樽に躊躇せず、素早く行動してとっとと上に行く。こんなところか?)


「うむ。お前の動きは無駄が多い。だから奴がそこに漬け込んで樽の猛攻を繰り返しているのだろう。」

(無駄を減らし電光石火でクリアか。よーし、再開だ!)


「あんだけゲームオーバーになってもまだポジティブでいられるか」

(おうよ!ポジティブなのは俺の取り柄だからなぁ!)


「その心が、お前をダイバーとして成長させるだろう」




それから俺は何度も「ドンキーコング」を操り挑み殺されるを繰り返す。

プレイ回数にして72回目。

Hdd2017-08-03-23h10m48s168

(2段目までは樽の猛攻の心配はない。炎が出てくる前に右端までとっとと移動させる!)

Hdd2017-08-03-23h15m43s54

(梯子に登ったら2段目!ここでもまだ樽は到達していないから…)

Hdd2017-08-29-00h31m21s75

(左の梯子を経由して3段目へ!)

「ここまでは完璧なパターンになったな」

問題はここから。

ここから樽と「ドンキーコング」が合流する!

Hdd2017-08-03-23h18m09s234

(そこでこの武器を使って一度樽を破壊!)

Hdd2017-08-29-00h34m34s210

(4段目に行くのは真ん中の梯子か?右の梯子か?)

Hdd2017-08-29-00h33m28s68

俺はすかさず、真ん中の梯子を登る。

「真ん中を選んだ理由は?」

(深い意味はないさ。近かったからかな?残り時間も怖いしな)

Hdd2017-08-29-00h35m48s184

4段目。ここでも2つの選択肢ができる。

(左の梯子か真ん中の梯子か…これは!)

Hdd2017-08-29-00h36m53s68

「今度は左に?何故だ、真ん中の方がゴールに近いぞ?」


(その理由は…ウオラァ!)

Hdd2017-08-29-00h37m24s126

「成る程、ハンマーを使うためか。」

(え、これハンマーなの?なんでハンマーが空中に浮遊してるの?)

「知らん」

(そっかw)

Hdd2017-08-29-00h37m27s154

俺は5段目のハンマーも使い、樽の猛攻を真正面から破壊する。

Hdd2017-08-29-00h38m39s98

そしてハンマーの使用時間は終わり、制限時間も残り少なくなってきた。

Hdd2017-08-29-00h39m11s167
(迷うな。電光石火、後1段…)
Hdd2017-08-29-00h39m35s153
(上に…)

Hdd2017-08-29-00h40m31s197

ついに到達6段目!

ここまでくれば恋人まで…エンディングまでもうちょいだ「ドンキーコング」!

Hdd2017-08-29-00h41m05s21

まだまだ転がる樽をかわし!

Hdd2017-08-29-00h41m31s30

(行っけええええ!!)

Hdd2017-08-29-00h41m43s146

時間は本当にギリギリだったがついに!

ついに!!!

ついに、女の子の場所へ到達した。

「よし、よくやったぞ維」

(お、おお…おおおおお!!ゲームクリア!)

ゲームクリアーのBGMが鳴り、思わずガッツポーズを決める俺。

これにて「ドンキーコング」と女の子は再会を果たし、感動のEDが…


Hdd2017-08-03-23h35m26s106

(は?…なんだこれ…なんだこれなんだこれなんだこれぇぇぇ!?)

Hdd2017-08-29-00h43m37s10

俺は予想だにもしていなかった「次なるステージ」に動揺し、

Hdd2017-08-29-00h43m48s125

瞬く間にゲームオーバーになり…


Hdd2017-08-03-23h04m17s109

昨日と同じ絶望を、味わった。

「維よ、このゲームは全3面構成だ。お前がクリアしたのは1面に過ぎない。」

(あれで終わりじゃない…だと…嘘だろぉ!?)

画面の前で、がっくし落ち込む俺。

51r+NkqdVSL

無力なおっさんと魔術士ゴリラの女の子をかけた争奪戦は、始まったばかりだ。



「ゲームクリアおめでとう!とでも思ったかこのたわけ!」

「あまりの難しさにこれで1本のゲームだって思い込んでいた。反省はしてるが後悔はしていない。」

「だが根性は見せた。この調子で3面まで頑張れ維」

「おうよ!2面攻略は次回に続くぜ!」

~Continued to「Episode1-3『ドンキーコング(FC)編~はぁ?ドンキーコングって、お前のことなのかよ!?~』 」~