前話「The Beginning 2」

~2013年8月某日 ぴかりが丘~

---いいだろう。

『真緑幻宗(まりょくげんそう)』と名乗る男の誘いを、私は受けた。

『幻宗』に連れられ、『付き人の女』が運転する車に乗せられ移動を開始する。

車は、「リムジン」と呼ばれる巨大な高級車のようだ。

『幻宗』はかなりの財力を持つ者なのだろう。

『付き人の女』は二人いた。

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運転を担当しているのが、「長髪を『右』にまとめていたポニーテールの女」

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『幻宗』の隣に座っているのは、逆に「長髪を『左』にまとめているポニーテールの女」

何やら探知機のようなものを左手に持ち、それを見ながら左手でワープロに文字を入力しつつ「う~んう~ん」と唸り声を上げている。

二人は外見がとても似ているので、もしかしたら姉妹なのかもしれない。

そして、この三人に共通していることは私と同じ「人ならざる者」であること。

この車の中には、人間は一人も搭乗していない。

なんとも奇妙な光景だ。

さて、私は突如現れた見ず知らずの人間についていき、お人好しって奴なのかもしれない。

だが、彼から下心や殺気は不思議と見えてこなかった。

少なくとも、「魔」ではないことは確かだ。

それに、車での移動中寝床やご飯三食を無償で提供しようとまで言ってきた。

どうやら、私が先ほど困り果てていたことに気づいていたようだ。

そして、そのまま地球の調査の拠点にしてもらって構わないのだという。

何故ここまでして私に協力的なのか問いただした所、

「それについては、研究所についてから話すとしよう。」

と返される。

その場で答えることはなかった。

30分ほど移動した後、私たちは「研究所」という場所に到着した。

~関東地方某所 四天王一族の屋敷~

大使館と少し似た巨大な洋館の中に入っていく。

館内のエレベーターにも揺られ、着いた階の奥まで歩くこと数分。

広い部屋の中に案内され、来客用のソファーに座る。

『二人の付き人の女』のうち『髪の毛を右分けにしている女』が私の後ろに立ち、『髪の毛を左分けにしている女』『幻宗』の後ろに回り、『幻宗』は部屋の中央にある両袖の机に座る。

「地球へようこそ。『神造兵器 グランシャリオ・ザ・ザンバイン』。」

最初に『幻宗』から発せられた言葉は、歓迎だった。

「私は地球に[神造兵器]が来てくれることを待っていた。200年ほど前からね。
娘の『キッカ』の作った[神力レーダー]の電波が届き、今日の朝に気づいて君を探していた。
200年の念願がやっと叶った。だから、私が可能な限りで君が快く地球にいられるサポートをしたいのだ」


「神力レーダー」というのは、恐らくは『キッカ』という『髪の毛を右分けにしている女』が手に抱えている機器のことだろう。

「神造兵器」が地球に来訪することを待っていたようだ。

「神造兵器」に興味を持つ「人間」はこれまで何度も出会ったことはあるが、化物のごとく見世物に使おうとするゲスばかりで、ここまで丁重な扱いを受けたのは初めてだ。

---人間が、私たちの存在を探知するレーダーを作り出すとは恐れ入ったよ。

「でしょ~!?『覇皇様』のデータを基にあたし頑張ったからね!」

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と、後ろにいた開発者である『キッカ』が誇らしげに答えた。

「人間もそれだけ『神』に近づきたいということなのだよ。
『神』に造られたもの、としか君たちは思っていないだろうからな。
さて、本題に入ろう。
私が君に求めることはただ一つ。
君の今までの見てきたことを聞かせてほしい。」


てっきり、私の体を使って実験もするのとかと思ったのだが、帰ってきたのは意外な回答だった。

---それだけでいいのか?私の体を調べたりといったことはしないのか?


「せっかく地球に訪れた『神造兵器様』にそんな手荒なことはしない。
確かに調べたいという気持ちもなくはないが、それ以上に知りたいことは情報だ。
君がどうして生まれ、何をしてきて、何故ここに来たのか。
その経験を話してくれるだけでいい。
その他、私の質問にも嘘偽りなく答えてもらおう。
それが、君がここを拠点にして活動することの条件だ。」


---本当に、それだけなのか?

「疑り深いな。最も初対面なのだからその反応は当然なのかもしれないが。
君の自由を奪い人体実験のようなものをするというのであれば、わざわざ私から出向いて話なんてしない。
ここにいる娘の2人に始末してもらえばいいだけの話だ。
そういった手荒なことを一切してない所からも信じてはもらえないか?」


2度聞き返したところ、本当に私から求めていることは話を聞く、ということだけだった。

---話だけならば、答えよう。
先に言っておくと、私の世界の『神』の実体や所在といった質問には答えられない。
というか、私も知らないからな。
私自身の話ならば、何の役に立つのかは知らないが問題ない。
もう引退したような身だが、可能な限りは話すことを約束しよう。


「問題ない。私が欲するのは君の経験だけだからな。ご協力に感謝する、『グランシャリオ』。」

~~

時間は1時間ほど経過し、それまでの私の過去についてかいつまんで語った。

途中食事も出してもらい、先程までの空腹感もなくなったことでより話しやすかった。

『幻宗』は時折私の言葉に質問などをしつつもしっかりと聞き、『キッカ』はメモのためか私の言葉一言一句を手持ちのワープロのような機器に入力していた。

「よし、今日はここまででいい。」

---続きは明日なのか?

「そうだな。続きは『キッカ』に代わりに聞いてもらうとしよう。
私は明日から兵庫の方に行かねばならないから、屋敷にしばらくいないのだ。」


---それはまた急だな。

「私も忙しいのだよ。自分の目的のためにな。
その間、君はこの屋敷を自由に出入りしてもらってかまわぬ。
一部立ち入り禁止の場所はあるが、それは別途『イオ』に詳細を説明してもらおう。
君専用の部屋も用意している。
『イオ』、案内してやってくれ。」


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「畏まりました、『お父様』。」

こうして、『幻宗』による私への最初の情報収集は終わった。

~四天王一族屋敷 シャリオ専用居住空間~

先程まで『幻宗』の後ろについていた『髪の毛を左分けにしている女』こと『イオ』についていき、私の地球での生活空間に案内させられる。

「『シャリオ様』、この部屋を自由に使ってください。
部屋には電話もついてますので、受話器を取って頂ければ屋敷のフロントにつながります。
何か入用があればそちらでお呼びください。
お食事でもほしいものでも、可能な限りご用意致します。
何かご質問はありますか?」


---『真緑幻宗』は、私から事情聴取のように話を聞き何をしようとしている?

「以前、神造兵器といつか会えたその時には、[人間を超えた人間]を生み出す参考にしたい・・・と仰ってましたが、私にも詳細は分かりかねますね。申し訳ございません。」

『神』にでもなろうというのか、あの男は・・・?

『神造兵器』のデータを下に、人という存在から『神』にでもなろう、ということなのかもしれない。

詳細はまた『真緑幻宗』に会った時にでも聞けばいいだろうが、中々に危険な存在なのかもしれないと警戒が強まった。

「私はこれで失礼しますね。明日からは貴方の後ろに居た『キッカ』がサポートします。
私は、『お父様』と共に兵庫で行かねばならないので。」


---兵庫に行って何をするのかも聞いていいか?

「なんでも、『ワームホール』の出現した記録が出たようでして、その確認に行くようです。
朝来市、という場所に行くみたいですね。」


私が最初間違ってワープしてきた場所だ。

もしかして「幻宗」は、私が最初にワープしてきた場所へ調査に行くということなのか?

まぁ、問題はないだろう。

おそらくは、私が使ったものだということもバレていると見ていいだろうが、そのことに関して先ほど特に何か聞かれるようなことはなかった。

もちろん、質問されれば答えるつもりだが・・・ワープ跡を見て何をするつもりなのだろうか?

『イオ』はその場を静かに立ち去り、部屋の中のソファーに腰掛ける私。

ソファーの向かいには机が、正面には40型のテレビも置いてある。

これがテレビ・・・ここから映像が流れ、情報が流れてくると聞いたことがある。

人間の産んだ三種の神器と呼ばれているらしい。

まずはこれを試してみようかと机に置いてあったリモコンを手に取り、電源を付ける。

すると流れていたのは、アニメだった。

これも「地球」に来る前に資料で見た文化の1つだな。

絵を繋ぎ合わせて、一枚のドラマに仕立て上げるという映像媒体のようだ。

モニターの中で、画面狭しと女の子のキャラクターが動きに動いている。

その様が、一種のカルチャーショックのような衝撃に駆られた。

私は、忽ちアニメに釘付けになっていった。


~~

~2013年9月某日 四天王一族屋敷 シャリオ専用居住空間~

・・・それから一ヶ月の時が過ぎて、「小生」はテレビアニメの虜になったのでありました!


『キッカ殿』がお部屋に訪れて小生のお話を聞いていく生活が続いたものの、それ以外は外にも出ずにテレビアニメを見る毎日。

こ、これも『神造調査員』としての使命なのです!し・め・い!

テレビアニメを研究することで、地球という星の文化の力を調査しているのであって、決して仕事をサボタージュしているなんてことはないのですぞー!

・・・え、喋り方が一ヶ月で別人になっていやしないかって?


いやぁ、そこを聞いちゃいます?

テレビアニメを見続けているうちに、人間の喋り方というものを「小生」は研究したのですぞ!

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特に影響を受けたのが、「沙織・バジーナ」というキャラクター。

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」というアニメに出てくるキャラクターなのでありますが、一ヶ月間で見てきたテレビアニメにおいて特に小生の好きなキャラの一人でございます!

彼女のようにメガネをかけてみたいですなーという気持ちにもなりましたなー!

つまり、今までの小生の喋り方は成長過程だったということで、今は成長したから別人みたいに変わったというわけですな~!

ちょっとは人間らしくなったでしょう?

・・・え、そうでもない?前の方が良いって?


知ったことか!の精神で今後はこの喋り方でいきまする!


そんなアニメの虜となっていた「小生」ですが、それと同じくらい興味を持ったものがあります。

それは、アイドル!

・・・え、なんでって?

元々地球に来る前から、アイドルというものに興味はあったんですよ~!

この世界には興味深い様々な文化があるが、その中でもとりわけ興味を持ったのが「アイドル」という概念だ。

どうやら「アイドル」という存在は、一般人の中で憧れの対象となっている存在らしい。

私もかつて、「神造兵器」として様々な文明で「魔」と戦っていた頃は、後輩の「神造兵器」に憧れを抱かれたもの。

そんな自分と「アイドル」という存在を、重ね合わせていたようである。
うんうん、前々回こんな風に語ってましたな~!

喋り方がどこかぎこちないであります!黒歴史とは言わないで。

なので、テレビアニメを見ている傍ら、調べましたアイドルについて!

どうやら「日本」において、アイドルというのは現在2つの大きな文化が繁栄しているようでした。

一つは、「アイドル活動アイカツ!」

アイドルを養成する専門の学校があって、そこに通う生徒達が仕事を見つけて活動していく・・・というもの。

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現在では、「スターライト学園」と呼ばれる学園が一番盛り上がっているようですね。

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そして、「ドリームアカデミー」なる学校も来年の4月から新設されるといった噂もあるみたいですな。

もう一つは、「原宿」・・・ではなく「パラ宿」にある「プリパラ」。

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「プリチケ」と呼ばれるチケットを持つ女の子が入園可能なテーマパークで、この中で入園したお客さんがアイドルとしてユニットを組み、ライブをすることが可能になっているという女の子にとって夢の楽園のような場所です。

「プリパラ」はここ以外にも全国各地に所在しているようですな。

地球を調査する過程において、この2つのどちらかを経験してみようかなと『キッカ殿』に相談したところ・・・

「うーん、アイカツならここからならスターライト学園に通えれば体験出来るかもしれないけど、全寮制だからもし行くとなったら『お父様』は『シャリオちゃん』への協力をやめちゃうと思う。」

---全寮制、というのはつまり決められた場所で暮らさないといけないということで間違ってないです?

「そうそう。この屋敷から離れちゃうのは『お父様』は良しとはしないんじゃないかな~」

---うーむ、だったらアイカツは止めた方がよさげですな。

「で、プリパラの場合は[プリチケ]っていうものがないといけない訳だけど、『シャリオちゃん』が貰えるかどうかは分からないよね。」

---少なくとも、今は持ってないですし入手する方法もよくわかっていないので・・・

「ちょっと待ってね」という言葉とともに、『キッカ殿』は手持ちのパソコンで文字を入力しました。

「検索した感じ、プリチケを手に入れたって言ってる人たちは皆郵送で自宅に届けられてるみたいだね。」

---郵送?

「つまり、送られてこないともらえないってことみたいだね。」

---・・・「小生」にはどちらも出来ないと?


「残念ながら・・・」


『キッカ殿』につきつけられた言葉にがっくり落ち込む小生。

アイドルを体験することができないのでありますか・・・。

先日テレビで見たラクスやランカのような体験を、「小生」もしてみたかったのに・・・残念であります。

その様子を見て少し可哀想に思ってくれたのか、『キッカ殿』「よーし!」と声をあげます。

「『シャリオちゃん』、アイカツはちょっと難しいけどプリパラだったらあたし行けるように手伝ってあげることできるよ!」

---本当ですか!?『キッカ殿』!

「あたしがプリチケを作るよ!
実際に通れるか分からないけど、あたし改造得意だから多分イケる!
でもそうなると、元本のプリチケが必要になってくるよなぁ・・・
西菊子さん家の『ミノリさん』がそういえばプリパラよく行くんだったっけ・・・」

『キッカ殿』はブツブツと独り言を言ってるが「小生」には何が何やらよく分からず。

数秒後、独り言が終わったと同時に

「よーし、『シャリオ』ちゃん!『西菊子のお屋敷』に行くよ~!」


と言いながら「小生」の右腕を掴み、『キッカ殿』がダッシュするのでありました。

~四天王一族屋敷内 西菊子の屋敷~


「小生」と『キッカ殿』が着いたのは、四天王一族の屋敷の一つ「西菊子」の屋敷でありました。

『真緑幻宗』が統括する一族集団「四天王一族」とは、本家である「真緑(まりょく)家」と、四つの分家である「北渡(きたわたる)」「南鉋(みなみかんな)」「西菊子(にしきくこ)」「東羽(ひがしば)」の五家の総称。

この五家は共通して、天才的な才能や技術力を持つ人たちで構成されている「超人集団」なんだとか。

他、従者や親衛隊といった五家をサポートする人たちもいることで、屋敷の中には総勢1万人以上の人が住んでいるらしいです。

その1万人をも抱える大きな屋敷は、主に5つのエリアに分かれています。

エリア名は、先ほど上げました本家と分家の名前と同じで、北に「北渡の屋敷」南に「南鉋の屋敷」西に「西菊子の屋敷」東に「東羽の屋敷」中央には「真緑の屋敷」がそれぞれあります。

名前と方角が対応していて、分かり易いですな。

ちなみに、「小生」は「真緑の屋敷」のとある一角に部屋を頂き、そこで暮らしております。

今回『キッカ殿』と共に訪れたのは、西のエリアである「西菊子の屋敷」。

案内されて入っていくと、屋敷の所々には珍しい石が飾られていて印象的でした。

「『ミノリさ~ん』!」

『キッカ殿』が声を上げて屋敷の中の奥の部屋に進むと、積み木で遊ぶ女の子がそこにはいました。

黒髪で前髪で完全に目が隠れているので表情などが読み取れないのが気になりますな。

「・・・『キッカちゃん』・・・?」

『キッカ殿』の声を聞いて反応した『女の子』は立ち上がります。

「お久しぶりです。『ミノリさん』、突然ですが![プリチケ]持ってます?」

開幕一番に要件を伝える『キッカ殿』。

「薮から棒に・・・どうしたの・・・?」

「この子、『お父様の屋敷』で居候してる『シャリオちゃん』!」


---初めまして~ですぞ!

「・・・『西菊子ミノリ』・・・です・・・よろしく・・・。」

たどたどしい小声で軽く会釈をする『ミノリ殿』。

人間が苦手なのかも?

「『シャリオちゃん』を使って実験したいと思ってるんだけど、その実験には『ミノリさん』の[プリチケ]が必要なんだ。貰えないかな?」

「・・・タダで何かする・・・のは不釣り合い・・・」

「うっ」

一方的にプリチケを提供することを渋る『ミノリ殿』。

『キッカ殿』うーんうーんとまたどうしようか考えていますが、手詰まりと言わんばかりに代わりに提供できることが思いつかない様子でした。

これはそもそも「小生」の問題。

「小生」が何とかせねばならない。

あ、そうだ!

---『ミノリ殿』、もしよければこちらを差し上げますぞ!

そう言って「小生」が渡したのは、地球に来訪して唯一持ってきた持ち物でした。
今私が持っているのは、神造兵器時代の隊長の証として『お父様』からもらったペンダントだけで、これも特別な何かがあるわけでも何でもない。

こちらもまたまた前々回のセリフから!

「小生」が地球に来る前の仕事において、役職を表すペンダント。


特に何か効果があるわけでも何でもなく、ただの記念品のお守りのような気持ちで持ってきたものでした。

このペンダントには、中に「バイン石」と呼ばれる特別な鉱物が入っております。

「バイン石」は、「神造兵器」を構成する特殊な物質であります。

小生の本名は『グランシャリオ・ザ・ザンバイン』

この最後の「バイン」という単語は、この「バイン石」に由来した名前なのです。

ちなみに、小生以外の「神造兵器」も名前の最後には必ず「バイン」と付いているのですぞ~。

先程、この部屋に来る過程での通路で、鉱物を展示しているのを見かけました。

もしかしたら、地球には存在しないこの石も気に入ってくれるのでは・・・という少ない期待をもったのですが。

「・・・この石・・・見たことない・・・本当にくれるの?」

予想はドンピシャ、大変興味をもってくれました!

これを渡すということは、「小生」が「神造兵器」として戦ってた証もなくす、ということになりますが。

---はい!プリチケと交換してください!

もう引退した身。今更引きずる必要はないのでしょう。


「・・・いいよ・・・じゃあこの石の入ったペンダントと・・・交換・・・」

『ミノリ殿』は積み木遊びをやめてとことこと歩き、たんすの中にしまっていただろう一枚のチケットを「小生」に渡しました。

目元は見えないものの、『ミノリ殿』の口元は笑顔でにやけているのが伺えました。

「『シャリオちゃん』・・・この石のこと・・・今度詳しく聞かせて・・・?」


---勿論ですぞ!色々な思い出が詰まった、大切な石ですから!

さらば、隊長の証・・・。


これをもって「小生」は、元「神造兵器」からますます「人間」へと近づいていくのでした。

~2日後 パラ宿 入口前~


「はい!『シャリオちゃん』、どうぞ~」

パラ宿の入口まで車で『キッカ殿』に連れてきてもらった「小生」。

車を降りて『キッカ殿』が渡したのは、何も書かれていない無地のチケットでした。

どうやら、『ミノリ殿』のチケットを元に「小生」のデータを入れた新しいチケットを作ったようで、『キッカ殿』の頭の中の理屈通りならばこれを使えばチケットをもらっていない「小生」でもプリパラに入ることが可能であると熱弁しました。

専門的なことはよく分かりませぬが、『キッカ殿』は工学の天才らしく、その工学の知識を活かして生み出した「偽造プリチケ」とのことでした。

「うまくいけばそれでプリパラに入れるだろうけど、実際に試してないからそれは何とも言えないんだ。
実験するような形になっちゃって悪いけど、やってみて!
私は秋葉原にでも行って新しいロボット作るパーツでも買い漁ってるから!
終わったら、連絡用にって『お父様』が渡したケータイに私の番号で連絡してね」

---『キッカ殿』、何から何まで申し訳ない・・・ありがとうございまする!

「いいよ別にー。私も知的好奇心でやっただけだからさ~。
楽しんできて、プリパラ!」


『キッカ殿』
の車はそのまま「パラ宿」を後にして去って行きました。

『ミノリ殿』
の協力や、『キッカ殿』の開発によってついに興味を持っていた「アイドル」の扉を開けるかも知れない。

「小生」は、協力してくた2人のことを本気で感謝しつつ、念願の「アイドル」への階段を、今開いたのでした。

「偽造プリチケ」を片手に、「小生」はプリパラの入口「プリズムストーン」へ、進みますぞ…!

~Continued to「The Beginning 4」~