ダウンdafsghド

第884話にて予告していましたゲーム感想をまとめます。
作品は、3DS用ゲームソフト「アイカツ!シンデレラレッスン」です。

・概要


本作は、2012年11月15日に発売されたニンテンドー3DS専用ソフト。
2012年10月8日より放送が開始されたTVアニメ「アイカツ!」及び2012年10月22日から2016年5月18日まで稼働した「データカードダス アイカツ!」に連動されたメディアミックスのうちの一作である。

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購入したきっかけとしては、以前「蒼き雷霆ガンヴォルト」の感想記事にて触れた3DSの再購入が挙げられる。
以前3DSを所持していた時はまだアイカツという作品にあまり興味のなかった時期であったので本作を触れようと思いもしなかったが、3DSを所持していてかつデータカードダスの筐体の稼働が終了した今、ゲームという媒体で初代アイカツを触れることが出来る本作を貴重な資料と判断し、購入に至った。

・ゲームシステム


ストーリーモードではデータカードダス同様、プレイヤーはマイキャラという自分の分身を作り、マイキャラがスターライト学園で生活を送りつつトップアイドルを目指すというアニメ同様のストーリーを追体験することが可能となっている。
データカードダスでは主にオーディションを受けることがメインの内容になっているのに対し、本作ではオーディションを受けるためのレッスンに重きを置いているのが特徴。
なお、この要素は後の作品にも継承されている模様。
レッスンの種類は以下のものがある。

・記憶力ゲームの「じょゆうレッスン」
・正しくピアノの譜面を弾く「おんかんレッスン」
・タッチペンで行うアクションゲームにしてスコアアタックが一番熱いであろう「メイクレッスン」
・イメージにあったネイルアートをする発想力が試される「ファッションレッスン」
・ダンレボ風の操作体系に記憶力を加えたリズムゲーム「ダンスレッスン」
・アクションゲームと音ゲーを合わせたような一番ゲーム性の高い「ファッションレッスン」

以上、6種類の多種多様なジャンルのミニゲームをこなしていく。

これらのレッスンとイベントをこなしていくことでイベント進行に必須のアイカツカードを入手。
全て集め終えるとオーディションへの参加権を獲得。
オーディションをクリアして次のレッスンへ・・・というのが基本的な流れだ。

オーディションモードに関しては、基本的にはデータカードダスと同じリズムゲームだがそれ以外の要素はほぼ別物。
ボタンは1種類だったり、スペシャルアピールの成功条件がタッチペンで線をなぞることだったり、そもそもカードのコーデごとにアピールが細分化されていない曲ごとに固定のポーズを取るだけ)など、データカードダスのそれよりもスケールダウンしている。

クリアまでのボリュームは10時間にも満たないが、若干の変化のある周回プレイも可能。

・感想

本作は内容としてはデータカードダスと比べると物足りなさを感じてしまうのは否めない。
レッスンのミニゲームは種類が多く難易度も上がると歯ごたえがあるといえばそうなのだが、結局は同じことの繰り返しでシナリオ的な変化にも非常に乏しいためストーリーモードは次第に作業感が強くなっていく。

オーディションも踊りの振り付けは全曲共通スペシャルアピールまで全く動きが一緒という(ユニットでも変わらない)様はアイドルのライブというよりパントマイムを見ているような気分にさせられる。
アイカツカードごとの違いはライブのステージに入場するシーンの演出が属性ごとに違うくらいのもので、ノーマルだろうがプレミアムドレスを着せようがポイント上への変化も特にない。
つまり、全く別の属性の曲とコーデ同士でやろうが、同じ属性でプレミアムを着せようが全く変わりはないのである。要するに、グラフィック以外に特に違いはないという無個性ぶり。
このような仕様からか、オーディションモードはプレイしていて変化が少ないので、素直に「楽しくない」という一言に尽きる。

ゲームそのものの面白さとしては、「子供向けと考えればこんなものか」という一言に尽きる凡作・・・なのだが。
視点を変えると、ファンにはたまらない一品になるとも言える。
それは、「アイカツという作品の初期設定を知る資料的価値が極めて高い」という点である。

まずはこの画像を見て頂きたい。

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こちらは、ストーリーモードで途中から登場するアニメの登場人物でもある「有栖川おとめ」「藤堂ユリカ」「ジョニー別府」の登場シーンを撮影したものだが、違和感を感じないだろうか?

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テレビアニメにおける彼女らのキャラクター性を1枚の画像で表すならばこのような形になるだろうが、テレビアニメで見られた口癖は一切使わないどころか、性格までが異なる。
TVアニメに登場した彼女らの面影は全くと言っていいほどなく別人と形容しても過言ではない彼女らが本作には登場している。
「らぶゆ~」と言わないおとめ、吸血鬼キャラではないユリカはもはや普通に可愛い女の子、という感じでアニメ版と全く受ける印象が違うのでギャップがあって中々に面白かった。ジョニーも、担当声優の保村真氏の熱演あってこそあの濃いキャラ性になったと納得した。

何故このような食い違いが起こっているかというと、それはゲームの開発時期の問題によるものだと推察ができる。
本作が発売したのは、テレビアニメ放送開始から1ヶ月弱と極めて短いスパンで発売されている。
現在放送中の「アイカツスターズ!」のゲーム版は、無料DL版は放送開始から3ヶ月経過の7月、パッケージのソフト版は放送7ヶ月経過で発売予定であることからもいかに早い発売だったのかが伺えるだろう。
つまりは、テレビアニメ版の設定のすり合わせと本作の開発は同時期で、初期設定のままゲーム本編のシナリオを作ることになった故の齟齬であると推測することができる。

この他にも本作は、テレビアニメ版では見られなかった要素が数多く存在する。
例えば、本作に収録されている楽曲。箇条書きで書いていく。
太字はアニメ及びデータカードダスでも遊べる楽曲。

・アイドル活動!
・真夜中のスカイハイ
・ティアラスタイル
・ももいろくうき
・アイドルかぞく!
・リング・リング
・カンフーガール!
・Prism Spiral
・はなびより
・シャイニー・トゥインクル

なお、全ての曲に共通してボーカルは存在しないインストのみの収録である。
データカードダスやアニメにも登場した曲はたった3曲で、残りは本作オリジナルの曲である。
このことから、これらの本作でのみ遊べるインスト曲は、作曲の段階までは来たがアニメやデータカードダスでは使われず没になった楽曲たちを使用しているのではないのだろうか?と勝手に推測する。
中途半端にデータカードダスやアニメに登場した曲が収録されていることが逆にそういう考えにさせられる。
少なくとも、陽の目に出なかっただけでアイカツの楽曲はたくさん作られていたのは間違いないだろう。
ボーカルが入っていないのは、作曲の段階で使用することが決まったのか、STAR✩ANIS(現AIKATSU✩STARS)の歌を吹き込む前の段階だったのかのどちらではないだろうか?

・・・と、このように初期の頃のアイカツの設定や没になったものがゲームとして形になっているのが本作と考えると大変面白くなる。

他にも・・・

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テレビアニメ版では脇役程度に出番が留まっていたユニット「Splash」の二人(立花ミシェル・氷室朝美)おとめやユリカ以上の存在感を持つメインキャラとしてシナリオに絡んでくることも、初期設定の名残を感じる。
おそらくはこの二人もメインキャラになるはずだったのだろうが何らかの事情で脇役にとどまる事になった。
だが、初期設定で話を書いたのであろう本作ではガッツリメインキャラとして絡んでくる・・・という流れなのではないだろうか。
ちなみにこれは余談だが、ミシェルの担当声優は後に第4期でメインキャラの白樺リサ役に抜擢された福沙奈恵氏である。

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氏はミシェルの他にも数多くのモブキャラを演じてきたが、3年半の歴史に絡んできた氏だからこそ最後のメインキャラと言えるリサを任せられた・・・本人はブログで語っている。本作からはそんな氏の歴史の始まりを堪能できるという意味でも面白い。

あくまで筆者がここまで書いたことは推測の域に過ぎないといえばそれまでだが、なんにせよテレビアニメ版では見られない独特の雰囲気が本作には詰まっていて、アイカツの歴史的資料としての価値は十二分に存在する。
筆者としてはそれだけでも十分楽しむことができた。

・まとめ

作業感の強いミニゲームをメインに、データカードダスの縮小版として展開している本作。

携帯ゲーム機で子どもが遊ぶ分になら及第点と言える出来で、決してつまらなくはない。
だが、筆者としてはその側面よりもテレビアニメやデータカードダスとの食い違いが一番に楽しめた。
別人クラスのおとめやユリカやジョニー、アニメでは脇役でしかなかったSplashがメインストーリーに大きく絡む、データカードダスにもアニメにも存在しない楽曲で遊べるなど、今となっては歴史的な資料価値の高い一品であることは間違いない。
まさに、アイカツのプロトタイプがパッケージ化されていると言えるのである。
データカードダスに近い遊びが出来る作品は次回作以降に持ち越しとなるが、アイカツという作品の歴史の一端に触れてみたい、という方には是非ともオススメ出来る作品である。


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※本文は上記のものまでですが、ここからはおまけとして創作成分を含む内容を記述します。閲覧はくれぐれもご注意ください。


・おまけ~マイキャラについて~

本作は、前述通りマイキャラというアバターキャラを使用してストーリーが進行されます。
本作で筆者が制作したマイキャラの設定を以下にまとめます。

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・名前→八雲 Basil-X2-Xai(ヤクモ バジル エックスツー カイ)

・学年・年齢→?(学年は中学1年生)

・誕生日→8月1日(本作のプレイ開始日をそのままつけただけ)

・血液型→

・星座→獅子座

・一人称→ワたシ

・二人称→誰にでも○○サん
ただし、開発者の南鉋竜にのみ「マスター」
竜の助手のキッカには「キッカ様」

・好きなブランド→フューチャリングガール

・好きなコーデ→天の川コズミックコーデ

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・好きなもの→マスター始め自分の家族 お弁当 後ろで誰かを見守っていくこと

・苦手なもの→自他ともに感情を理解すること


・趣味・特技→お弁当作り 何かを記憶する(一度記憶すると絶対に間違えない) 歌を歌う
 
・家族構成→姉(七海Laurier-X) 妹(九頭竜Parsley-X3) 父親(開発者の竜)

・性格
-相手の感情を理解はできるものの、自分自身は極めて無機質。怒ったり泣いたり笑ったりはしない。というよりできない。
-ご飯は食べられないが、お弁当を作ることが好き。これは、スターライト学園に入学する前にマスターの朝ごはんを作る料理ロボットとして運用されていたことがルーツなのだが、これが後に自分の人生を大きく左右することになる。
-マスターの事を考えるとインプットされていない感情が時々芽生えることがあるが、それが何なのか当然理解できていない。恋愛?それとも家族愛?どちらかは神のみぞ知るセカイ

・設定・ストーリーメモ

天才発明家「南鉋竜」が提唱するプロジェクト「人工ボーカルドール製作計画」の際に開発された擬似ボーカルドール(要するにアンドロイド)2号機の改良型。竜が6歳の頃に開発した。
擬似ボーカルドール1号機である「七海Laurel-X」言語を発することはおろか歩くことすらままならず納得のいくものが出来なかったとして竜に破棄されてしまうが、その反省を活かして生まれたのが2号機である「八雲Basil」だ。
最初に開発されたX2から更に改良を加えて現在の「X2-Xai」にバージョンアップされたことで、言語機能の搭載・歩いたり走るといった人間の基本動作が可能・記憶回路搭載により人間を超えた絶対的な記憶力を身に付け、人間の感情のインプットすることで人間の喜怒哀楽を理解することができる段階にまで進化した。
・・・までは良かったのだが、自分自身の感情を正確に理解できない・言語機能が正常に動作しないことが多い・何よりボーカルドールとはお世辞にも呼べないほどのアイドルのパフォーマンス力だった・・・という問題点が浮上し、竜はそれらのBasilの欠陥を解決することが出来なかったため、Basilの更なる改造はお蔵入りとなってしまった。
しかし、「七海Laurel-X」とは異なり、意識を持っている段階まで開発したため破棄することに躊躇いを感じた竜は、一人の人間のようにBasilを生かすことを提案。
人工ボーカルドール製作計画自体、プリパラ最強のアイドルを人工的に作るための計画でありアイドルの持つ力について更なる調査をするためにプリパラ以外の別の視点のアイドルの資料を欲した竜は、アイカツに目をつける。
そこで、計画の協力者である「東羽(ひがしば)家」の開発した別の世界へ移動することが出来るワームホールを使い、平行世界のスターライト学園(竜の生きる世界とは別の世界のスターライト学園)へ入学させ、一人の人間のように生を受けることとなる。
平行世界のスターライト学園を目標としたのは、東羽家の作り出したワームホールの被験者として選ばれたことと、平行世界のデータを取るためという別の目的もあったためである。
竜の部下と共に並行世界のスターライト学園へ向かったBasilは入学試験を無事合格。
だが、スターライト学園でのアイカツでは人間のような成長はあまり見えずぱっとしないまま卒業を迎えてしまう。
一応竜が欲したアイカツの資料を立派に取り揃えてくれたお陰で、彼の計画の更なる歩みを加速させる結果にはなった。
その後、感情機能がより人間に近くなり、言語機能も正常に動作する「九頭龍Parsley-X3」が製作されることになるがそれはまた別のお話。

スターライト学園卒業後は、平行世界の星宮いちごの実家「なんでも弁当」の従業員として、星宮りんごからお弁当について教わる。

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1年後、ワームホールの開発者である「東羽家」の現当主「東羽覇皇」がBasilの前に現れる。

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彼女は、Basilを被験者としたワームホールの実験が終了しているが現世界に連れ戻す必要はないと判断されて誰も連れ戻しには来ないことと、ここに来た自分だけはこのまま平行世界で生涯を全うすることが正しいことではないと考え元の世界へ戻るべきだと告げる。
話を聞いていたりんごも「あなたのステージはここではない」と説得したことでBasilはこれを承諾し、「東羽覇皇」と共に現世界へ帰還する。

しかし、そのまま竜のいる研究所に戻ることはなかった。
アイカツで不甲斐ない結果しか出すことのできなかった自分に負い目を感じたBasilは、竜に合わせる顔がないと南鉋家の研究所には帰らず、そのまま失踪してしまったのだ。先述の「東羽覇皇」が告げた「現世界に連れ戻す必要はないと判断されて誰も連れ戻しには来ないこと」という点は、竜が自分を見捨てたからと考えたことが一番の要因だ。

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その様子を見た「東羽覇皇」は「未来とは自分で考えるもの。奴がそれを選択したならこれ以上は何も言うことはない。」と言って止めることはなくBasilが現世界に戻ってきたことと、同時に失踪した事実を誰にも伝えることはなかった。

逃げ出してきたはいいものの、これからどう生きていけばいいのか分からなくなってしまうBasil。
だが、行き着いたぴかりが丘という町で「大森あい」という女性に出会う。

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自らが経営するお弁当屋の人手が足りず困っていたあいはBasilを住み込みの従業員として雇う。

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その間、あいの妹「ゆうこ」が養子として引き取った双子の娘が四ツ星学園に入学するまでの3年間、Basilは自らのオフの時間に双子の友人の「朔夜弥咲」の遊び相手になっていたのはまた別の話。
現在はあいの経営する弁当屋「おおもりご飯」の裏方のキッチン担当として老齢のあいと共にお弁当を作り、店の手伝いをしつつ、ゆうこの残した財産・・・双子の娘のアイカツの行く末を、陰ながら応援している。

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そしていつか、「マスター」と再会することを夢見ているが、その勇気を出せずにいるのであった…。

・小話

プリパラのファルルとガァルルのルーツ「ボーカルドール」アンドロイドの要素をアイカツに落とし込んでクロスオーバーさせた何かです。
元々初代マイキャラ「ゆうゆう」がアイカツとプリキュアのクロスオーバーだったわけですが、「Basil」はその発展型として、俺のマイキャラのアイカツとプリパラの間をつなぐキャラクターということにしました。といってもプリパラ要素はルーツがボーカルドールを人工的に作る、という部分以外なかったりするのですが。

「八雲」という苗字はアンドロイドの素体となった女の子の苗字がつけられています。アンドロイドのモデルになった人間がいるのです。
これは竜が生涯制作した3体の擬似ボーカルドール全員の共通事項前述した「七海」「九頭龍」もそれにあたります。)。
「Basil」という名前は、薬草のバジルから拝借しています。
最初お花の名前を付けようと思ったのですが、「シンデレラレッスン」の文字数の都合でつけたかった名前がほとんど文字数を超えてしまい付けられず、文字数の少なかったバジルを使ったことに起因します。
そこから関連して、現在設定だけ存在する3体の擬似ボーカルドール達の名前も薬草から拝借していて、1体目はローリエ、3体目はパセリとなっています。
バジルの花言葉は「幸運」。
彼女の生涯も幸運に幸運が重なった結果の幸せだったという風にモチーフにしていたりします。
現在(アイカツスターズの時間軸)でも存命中で、姿が一切変わることなくおおもりご飯でゆうゆうの姉のあいと共になたねとなくるのアイカツを陰ながら応援しているでしょう。
平行世界帰還後に父親である竜との再会はあったのか・・・?
それは、今後別の記事で明らかにする予定です。

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~了~