※注意
本記事には、「アイカツ!」及び「ハピネスチャージプリキュア!」の二次創作要素が多大に含まれております。
これらの要素がお好きでない方は間違いなく不愉快な思いをする記事になりますので、そう思った方は速やかに戻るを押すかブラウザを閉じてください。
→EPISODE III

全5回で連載予定の「ゆうゆうのアイカツ!」第5回目です。
アイカツ卒業後の未来、そして…?というのが本章の主題です。
これにて「ゆうゆう」のアイカツ人生は、一つ幕が下ります。
駄文ではありますがどうぞ最後までお付き合いくださいませm( )m
読む前に、以下の点に注意してください。
・時系列に関してはTVアニメ「アイカツ!」準拠です。現在はTVアニメ版完結以降の時系列に該当します。
キャラクターの原作と言える「ハピネスチャージプリキュア!」の設定も使用していますが、時系列のすり合わせは一切していません。
年齢もハピネスチャージプリキュアでの該当の出来事の時とは異なっています。
また、表記中の「TVアニメ版」は、TVアニメ「アイカツ!」を指しています。
・TVアニメのアイカツ・ハピネスチャージプリキュアのキャラクターも一部登場しますが、その関係性は独自の解釈をしたものです。
それでは、始めましょう…!
・夢(~TVアニメ版4期完結4年後)
1年後。
場所はアメリカの大地で、一台の移動販売車が街中で止まっていた。
車の上には「OOMORI GOHAN」と大きく書いてある看板が付いている。

そこでは、「Bento」と呼ばれる食べ物を提供し、販売していた。
客層は子供から年配までと非常に幅広く受けがよかった。
一通り売り終わると、車の持ち主が車の外に出てパフォーマンスを始め、お客さんの注目を集める。

まるで、アイカツシステムを使わずアイカツを見せた「星宮いちご」らの姿と瓜二つであった。
その姿に憧れる子供たちは、「一体どんなダンスなのか?」と車の持ち主に尋ねる。
「Aikatsu!」と答える車の持ち主は、子供達から興味を持った大人にまで、アイカツを日本の文化として教えていく。

車の持ち主…「ゆうゆう」は、あれからアイカツを卒業し、一年かけて車の免許を取得し、語学の勉強していた。


そして、かつて「いちご」が修行したアメリカの大地に「ゆうゆう」として訪れ、移動販売車に乗りながら現地で食材を調達し、一定量の食材を手に入れたら町で移動販売を行う…という、商売人の道に進んでいた。
同時に、自分が5年間学んできたアイカツをパフォーマンス手段として用いて、興味を持った人たちにアイカツを教えた。
アメリカでもアイカツを行う者は「一ノ瀬かえで」や「マリー」といった前例(外伝参照)はいるものの、日本ほど大きく盛り上がっているコンテンツとは言い難かっただけに、「ゆうゆう」のパフォーマンスを見て驚くものは決して少なくはなかった。


かつて自分がスターライトのアイドル達に憧れてアイカツを始めたように。
弁当が目的で興味を持った人間にだってきっとアイカツの魅力を理解してもらえると考えた「ゆうゆう」は、いつか自分のようにアイドルに憧れて未来の選択肢の1つになってほしいという「次世代への願い」を託していた。
自らがアイカツ界から去り、いつか現れるかも知れない後任の人間を探すようになったことには理由があった。
それは、どれだけ努力しても、絶対に超えることの出来ない上の存在がいるという現実を知ったことだ。
だから、自らがトップアイドルになることは出来なくても、自分の見つけた他の誰かならばなれるかもしれない。
「ゆうゆう」はその可能性を旅をすることで探していた。
自らが前に立って輝くことを諦め、他者の輝きを探すことを選択したのである。


その方法を模索した結果、幼い頃からのアイデンティティである「食の道」と、一時期変身していたなりたい自分「キュアハニー」の経験を組み合わせた進路を発想した。
弁当屋で移動販売することで各地で様々な出会いを求める。

それは、手探りで全国ツアーを結構していた大空あかりらのユニットグループ「ルミナス」のそれを彷彿とさせられるものであった。

日本だけに限らず世界規模で探していく…というのは、キュアハニーとして世界各地を回っていた経験を参考にしたものである。

いつになったら「後継者」に出会えるかは分からない。
もしかしたら、死ぬまで見つかることはないのかもしれない。
だが、生涯をかけてなんとしても探したいと「ゆうゆう」は考えていた。
かつての亡くなった友にも、自分にも出来なかったことを成し遂げられるだろう逸材…「ゆうゆうの後継者」を探す旅が始まったのである。
・ゆうゆうの後継者(~TVアニメ版4期完結から54年後)
それから、途方もないほどの長い長い年月が立ち。
日本ではスターライト学園・ドリームアカデミーなどといったアイドル学校も「過去の存在」となり、アイカツという一大ムーブメントは、終焉を迎えていた。
71歳となった「ゆうゆう」は、結果的に3台も車を買い替えたものの移動販売車のみで世界一周旅行をやり遂げた。
だが、前述通りアイカツという文化は一定の終焉を迎えたことで、生涯をかけた「ゆうゆうの後継者」を探す旅は失敗に終わった。
「ゆうゆう」は、50年ぶりに日本の地元ぴかりが丘に帰国した。
「ゆうゆう」は、50年の旅のお話を、両親亡き後姉が一人で切り盛りしていた実家のおおもりご飯に来る客にでも話しつつ仕事を手伝う余生を過ごす未来を選択することにした。
帰国後、ボロボロになった3代目移動販売車を廃車にすることを決めた「ゆうゆう」は、車屋に廃車を持っていく。
自らの相棒を手放した「ゆうゆう」は50年間運転ばかりしていた世界放浪時代とは打って変わり、徒歩で車屋からぴかりが丘の実家に帰路につくことにした。

車屋からぴかりが丘の実家の帰路の途中には、母校のスターライト学園があった。しかし、既に廃校になってしまい、建物だけ文化物として丁重に残されている。
久々の母校を思い出した「ゆうゆう」は、寄り道がてら中に入っていく。

様々な場所を歩くことで、5年間アイカツをしていた50年前の自分を思い出していく。

色んなことがあった。50年間の世界旅行も様々な経験や思い出があるのも事実だが、その50年にも勝る思い出の詰まった場所が、スターライト学園を始めとして行われていたアイカツだ。

そして、最後には自らの運命が変わったあの庭園に足を運んだ。

亡き友と「神崎美月」が愛した、あの場所に。


すると、「ゆうゆう」の目の前には庭園で喧嘩する小さな二人の女の子がいた。
が、それよりも、その二人の女の子は「ゆうゆう」にとって、思わず目を疑ってしまうような外見をしていた。

それは、亡き友の顔に瓜二つの双子の女の子だったのだ。
見間違うことがあるものだろうか。まるで幼い頃の彼女がそのまま生き写しのようにその場に居合わせていると錯覚するほどに、似ていた。
その光景に自然と涙が溢れる「ゆうゆう」。
喧嘩していた二人は「ゆうゆう」が訪れたことに気づくと、喧嘩をやめて「ゆうゆう」の前に行く。
「ばあさん、あんたどうしたの?」
子供らしい無作法な口調で話しかける女の子。

まるで亡き友のレッスン中のキツい部分がそのまま具現化しているようなイメージだ。
「もう、そんな言い方ダメだよ!…あ、あの。何かあったんですか?」
もう片方の女の子は、丁寧な口調で「ゆうゆう」に質問する。

まるで、自分が50年前のライブ中に見た亡き友のビジョンがそのまま具現化しているようなイメージだ。
「…あなた達がね。古い古い、とても大切だったお友達に似ていて。おばあちゃん、ちょっと涙流しちゃった…ごめんね…はい、これ。」

「ゆうゆう」は涙を拭い、二人の少女にお手製の飴「ハニーキャンディ」を渡す。それに喜ぶ二人。
その後、二人の少女の保護者らしき者と、同胞であるだろう仲間たちが現れて、別れた。
どうやら、孤児院の孤児達に日本の文化を教えるための課外授業だったようであり、その一環としてスターライト学園に訪れていたようであった。
途中で二人の少女はハグれてしまったらしく、結果として「ゆうゆう」が迷子から助けたということで孤児院の先生にお礼を言われた。
不思議な出来事ではあったが、二人の少女のことが気がかりになった「ゆうゆう」。
数日後、「ゆうゆう」は決意をする。
廃校となったスターライトで運命的に出会った孤児の二人の少女を、養子にして「娘」として育てることを。
・ 最高のプレゼント(~TV版4期完結から61年後)
それから7年の時が過ぎた2月。
場所はぴかりが丘総合病院。

かつて、「キュアハニー」として助けた「折原つむぎ」が通院していた病院だ。
「母ちゃん、大丈夫?」
「お母さんに何かあったら…私…」
もうすぐ中学校の入学試験を控えていた「ゆうゆう」の娘…双子の女の子は、病気で入院していた母親「ゆうゆう」のお見舞いに来ていた。
「大丈夫。病気なんてすぐ治して、あなた達のライブを見に行くからね。健康なことには、自信あったんだけどなぁ」
二人の頭を撫でて安心させる「ゆうゆう」。二人は、母親に頭を撫でてもらうことが大好きな甘えん坊だ。
あれから「ゆうゆう」は、7年間実家の弁当屋を手伝いつつ双子を娘として育てていた。その過程には、かつて世界を旅するときにもしていた「アイカツ」のことも、確実に教え込んでいた。
それは、本来なら叶うはずのなかった「母親」としての人生を得た幸福な7年間であった。
同時に、世間にも転機が訪れる。
何の因果か、一定の終焉を迎えたとされていたアイカツの再ブームが始まったのである。
これにより、7年間「ゆうゆう」にアイカツを教わっていた双子の娘は、「ゆうゆう」に大きな影響を受けアイドルになることを決意した。

志望校は、今世間で最も注目されているアイドル養成学校「四ツ星学園」である。
そのため、二人の初ライブ前までには何としても完治して、愛娘のライブをこの目で見なければならないと考えていた。
しかし、それが叶うことはなかった。病気は治るどころか悪化する一方で、動くこともままならないほどの重症となってしまう。
1ヶ月後。
直接見ることは叶わなかったものの双子の娘の四ツ星学園の合格が決まった。
そして、「ゆうゆう」はビデオで録画された二人のデビューライブを見た。
そのライブを見た「ゆうゆう」は、50年間ずっと見つけることのできなかった自らの「後継者」をやっと探し当てることが出来たという満足感を得る。
「やっと…見つけた。私『達』のアイカツを受け継ぐ人を…二人なら…きっと…」
「ゆうゆう」は、もう自分の人生に何も未練がないことを実感した。
翌日。
「ゆうゆう」は意識不明の重体になってしまう。
双子の娘らが病室の前で無事を祈るがそれも虚しく、「ゆうゆう」が二度と目覚めることはなかった。
亡くなった時の顔は、すごく穏やかだったという。
まるで憑き物が落ちたような表情で、満足しているようにも見えた。
二人のライブを直接見るという約束を果たすことが出来なかった「ゆうゆう」。

意識がまだ残っている時、なんの因果か再会が叶わなかった亡き友の無念と同じ気持ちを持っていた。
だが、「ゆうゆうの後継者」を最期に見つけることが出来たことは人生で一番の幸せだった。
自分の教えうることは7年かけて全て教えた。
後は、その力をどう扱うかは二人次第だ。
二人のアイカツこそ、自分の証明できなかったトップアイドルになれるアイカツであることを証明してほしい。
ただ、それだけを願っていた。

「大森ゆうこ」、77歳。
3月26日20時59分。
その生涯の、幕を閉じた…。
・大森姉妹のアイカツスターズ!(~TV版4期完結61年後・「アイカツスターズ!」第1話~)
新たなアイカツサーガが、始まろうとしていた。
四ツ星学園と呼ばれるアイドル学校では、第二次「アイカツ」時代の最先端を行く学校だ。
かつて、トップアイドルは1人という概念であった第一次「アイカツ」時代とは異なり、四ツ星学園では4人のトップアイドル「S4」(女性)及び「M4」(男性)と呼ばれる集団が頂点に君臨する学校だ。
そして、4月となった今年も四ツ星学園には新入生が入学する。

入学式には、新入生お披露目ステージが開催されることが決まっていた。
たくさんの新入生が緊張する最中、ある「二人の新入生」は気合充分と言わんばかりの意気込みを見せている。
「あたしたちが大好きだった母ちゃんはもういないけど。それでも、母ちゃんがあたし達に残してくれた『アイカツ』は確かに生きている。」
「お母さんの『アイカツ』は、たくさん見てきたアイドルの中でも一番かっこいいと思ったし、憧れだった。私が少しでも受け継いでいるのなら、それを証明したい。」
「行くよ、泣胤(なたね)。あたし達のアイカツを、ここから始めよう。」
「うん、泣來(なくる)ちゃん。四ツ星学園の頂点を、二人で目指しましょう。」
その手に持った学生証と、亡き母から譲り受けたアイカツカードを胸に。


「大森泣來(なくる)」&「大森泣胤(なたね)」姉妹のアイドルの一番星を目指す戦い、「大森姉妹のアイカツスターズ!」が、今始まる…。

~EPISODE FINAl END~
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※文章の構成上本編終了後の脚注となりますが、本作内における「アイカツスターズ!」の物語は、TVアニメ版「アイカツ」本編より最低50年以上後の未来のお話、という独自の解釈で展開しています。これは、今後アイカツスターズとアイカツの関係性が明らかになっても執筆者側の個人的な解釈として一切変更しない設定となっています。ご了承ください。
→EPISODE Secret Story